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バイキングエデン乗船記
神戸発着ショートクルーズ
(2025/1/9~1/14)
⑥神戸帰港(1/14),まとめ

バイキング・エデン(バイキングクルーズ)
招商伊敦(ZHAO SHANG YI DUN)
全長:228.2m 幅:28.8m
総トン数:47,842トン、建造:2017年
旅客定員:930名、乗組員:480名
※画像は2024/11/23撮影


入港 出港
1/9 神戸 16:00
1/10 別府 11:00 20:00
1/11 関門海峡 2:30 4:00
1/11 釜山(韓国) 12:00 19:00
1/12 関門海峡 2:45 3:45
1/12 細島(宮崎) 13:30 22:00
1/13 高知 8:00 18:00
1/14 神戸 7:00

2025年の年始にバイキング・エデンのショートクルーズに乗船しました。バイキング・エデンはバイキングクルーズと中国企業との合弁の会社が運航し、正式な船名は招商伊敦(ZHAO SHANG YI DUN)です。船籍は中国・深センです。船名変更を前提に「バイキング・エデン」の名前で販売していましたが、船名変更が予定通りに進まなかった様です。

バイキングクルーズは欧米で評価が高い船社ですが日本で知名度が高くないことに加え、船名・船籍の問題が影響したのか、チャーター以外の日本発着クルーズは集客に苦労している様です。旅客定員は930名なのに今回のクルーズは乗船客数221名です。その内207名が日本人とのこと。乗組員は約400名で乗船客数を上回っています。

果たしてバイキング・エデンはバイキングクルーズの船として満足度の高いサービスを提供してくれるのか、そうでないのか? 実際に乗船して確かめてきました。

①神戸出港(1/9)
②別府寄港(1/10)
③釜山寄港(1/11)
④細島寄港(1/12)
⑤高知寄港(1/13)
⑥神戸帰港(1/14),まとめ
⑦レストラン
⑧船内施設


1月14日(火)

1/14 船内新聞(PDF)

【下船案内】

下船は8:30から始まり最終下船は10:00です。私の下船時刻は9:00です。下船案内は乗船者毎に作成されていて私の下船時刻が記載されています。
スーツケースなどの荷物は前日(1/13)22:00までに船室のドアの外に出しておくとターミナルビルまで運んで貰えます。

船室は朝8:00に明け渡す必要があります。下船まで(7:30~10:00)ザ・シェフズ・テーブルで手荷物を預かってくれます。

下船案内(PDF)

クレジットカードを登録していると船内での支払いについて精算は不要です。登録していない人は前日(1/13)18:00までにゲストサービスで精算が必要です。精算は現金(米ドル)またはクレジットカード、デビットカードです。この時に使えるクレジットカードは事前登録できるクレジットカードよりも種類が多くなっています。

私はチェックイン時にエラーが発生してクレジットカードが登録できず、船内のゲストサービスでの登録も怠ってしまいましたが、支払額がゼロだったので精算は不要でした。

【神戸帰港】

7:00着岸予定でしたが6:30には着岸を完了していました。日の出は7:06なので未だ暗いです。ほぼ満月の月が西の空で光っていました。

ポートターミナル前で回頭

タグボート

間もなく着岸

デッキ8のスポーツデッキにバイキング・エデンを建造した造船所の銘板があります。造船所はフィンカンティエリ社アンコーナ造船所(イタリア)です。

レーダーマスト 造船所の銘板

【ワールド・カフェで朝食】

入港を見届けた後、ワールドカフェで最後の食事を取りました。食べ忘れがないように仲間内で話題となった物も食べました。
船室を明け渡すため8:00に一旦船室に戻った後、下船までワールド・カフェで談笑しました。

ワールドカフェの営業時間は9:30なのに、それを越えて居座ってしまったみたいです。


神戸ビーフコロッケ オムレツと明石焼き

ザ・リビングルーム・バーのメロンパン

【下船】

ターミナル内で前日に出したスーツケースをピックアップしましたが、そこには陸上のスタッフが待機していて税関検査所までスーツケースを運んでくれました。

税関検査は私がこれまでに国内・海外で経験した中で最も詳細で時間を掛けた検査でした。スーツケースの中身や内張りまで。当然何らの違反もありません。
知人によると私のスーツケースが大きいのが一因かもとのこと。最後まで下船してこないことが怪しまれた可能性もあります。

税関検査所からターミナルの上階まで、スタッフがスーツケースを運んでくれました。

【ポートターミナル駅】

ポートライナーの駅で最後の写真を撮影して帰途につきました。

ポートターミナル駅から

★まとめ

日本船に近いサービス、充実した日本語サービス、レベルの高い食事。飛鳥Ⅱやにっぽん丸のリピーターにも満足できる船だと思います。
船内イベントを重視しない、ゆったり船旅を楽しみたい人向けの居心地の良い船です。

(船内の雰囲気)
北欧風のインテリアは明るく「洗練された」感じがします。所謂ラグジュアリー船の「重厚感」はありません。階段や通路は音が響かず「しっかり」作られています。
レストランが床から天井までが窓で明るいです。

船内の多くの場所に椅子やテーブルが設置されていて寛げる場所が多いです。ソファにはクッションや毛皮が掛けられているのもお洒落です。
今回は定員の4分の1しか乗船客が乗船していませんが満船でも窮屈感はないのではと思われます。

(日本語サービス)
船内新聞、船内表示、船内放送、レストランのメニューは全て日本語です。イベントの進行も日本語なので日本船と同じ気楽さがあります。多くのスタッフが日本語を話し、主要なところにはネイティブな日本語を話すスタッフが配置されているので言葉の心配は全くありません。さらにスタッフの応対が丁寧です。

(食事、飲み物)
食材のレベルが高いです。牛肉や刺身類は美味しいです。ケーキ類やジェラートは甘さ控え目です。ビュッフェでは食のイベントが多く開催されて楽しめました。
料理の提供はタイミングよく、ウエイターの所作も洗練されています。日本発着クルーズの他の船の数段上のレベルです。
様々な要求にも最大限対応してくれていたと思います。

朝食時や夕食時にメインダイニングがオープンしない日があったのは残念です。乗船客数が少ないことが影響したのかもしれません。
メインダイニングの他にスペシャリティ・レストランも無料でできるので選択肢が多いですが、ショートクルーズなのでそれぞれのレストランの特徴を感じるところまでには至りませんでした。

昼食や夕食時のワインやビールが無料なのは好評でした。ノンアルコールのワインが用意されていたのも評価です。
ラウンジやバーでも先ず無料の飲み物のメニューを出てくるので親切です。結果的にクルーズ中に有料の飲み物を注文しませんでした。乗船前の情報では有料/無料の判断しづらかったですが、思っていたらより無料の飲み物の範囲(場所、時間、種類)が広いです。

ルームサービス(24時間無料)のメニューも充実していました。

(オールインクルーシブ)
チップ、Wi-Fiインターネット接続、ポートチャージや諸税が船賃込みなので旅行費用の総額が分かり易いです。他船では船賃の安さに惹かれて申込んだら、港湾税等が高くて総額はそれ程安くはなかったという事もあります。

各寄港地で無料のシャトルバスが運行されたのも評価できます。何故事前に案内しなかったのでしょうか? もっとアピールしたら良かったのに。

(イベント)
講演会は充実していますが、その他のイベントは少ないです。他船では多くあるゲーム系のイベントはありません。
ダンスパーティーは「星空の下でダンス」が唯一です。私は朝のストレッチとダンスレッスンに参加しました。

(ラウンジの演奏)
クラシック系が多く、静かな演奏が多いです。バックグラウンドミュージックとして聴く感じです。ポップス系の弾語りが好きな私にとってはちょっと寂しいです。
・専属ピアニスト(クラシック)
・ギターエンターテイナー
・クラシカルヂュオ(フルート、チェロ)

(スターシアターのショー)
大型のクルーズ船の華やかなショーに比べるとかなり見劣りします。バイキング・エデンは歌唱中心のショーで、唯一演じられた舞台劇も地味でした。同じ出演者であっても出し物によってはもっと楽しいショーになっていたことと思います。

(ドレスコード)
バイキング・エデンにはフォーマルナイトはなく、ドレスコードは毎夜「エレガント・カジュアル」です。説明書には「男性は襟付きシャツにスラックス」となっていますが、貼付された絵の男性はジャケットを着ています。今回のクルーズではジャケットを着ている人は少数でした。

(料金)
このクルーズはお試し価格で、尚且つシングルユースが150%に割引され、コストパフォーマンスの高いクルーズでした。船賃が今回よりも高額であっても充分満足できる内容だったと思います。

(キャンセル規定)
バイキング・エデンのキャンセル規定は他の船より厳しいです。予約のタイミングで充分確認する必要があります。
90日前~70日前 旅行代金の35%
69日前~50日前 旅行代金の50%
49日前~30日前 旅行代金の75%
29日前~当日  旅行代金の100%
1ヶ月前から100%は厳しいです。

★船名、船籍問題

(クルーズ代金の一部返金)
クルーズ代金支払い後、旅行会社から旅行代金の一部返金の案内が来ました。返金理由は「募集型企画旅行条件書」の第24条(1)別表9「前各号に掲げる変更のうち契約書面のツアー・タイトル中に記載があった事項の変更」に該当するためで、返金額は旅行代金の2.5%です。これは募集型企画旅行の旅程保証に該当します。

今回のツアータイトルは「バイキング・エデン 2025年日本発着クルーズ 神戸発着ショートクルーズ 6日間」でしたが、「バイキング・エデン」の名前が付いているのに実際の船名はそうでなかったからという事です。

本来この条項が意図するのは「輸送機関の種類又は会社名の変更」や「宿泊機関の種類又は名称の変更」であって、船名が変っても、船も運航会社も変わらない今回のケースが当てはまるのか疑問です。更に旅行会社の免責条項として「運送・宿泊機関等の旅行サービス提供の中止」、「当初の運行計画によらない運送サービスの提供」の場合は保証しないとなっているので、疑問が深まります。

現に他の旅行会社は同様の返金を実施していないことからも、今回の返金が異例だったことが分かります。
これが料金の追加徴収だったら大いに怒るところですが、料金の返金なので有難く受取りました。

(バイキング・エデン クルーズの販売)
2017年にバイキング・エデンは、バイキングオーシャンクルーズの4隻目の船としてイタリア・アンコーナのフィンカンティエリの造船所で建造されました。その時の船名はバイキング・サン、船籍はベルゲン(ノルウェー)でした。
2021年4月にバイキングクルーズと中国招商Gとの合弁会社に移籍し、船名は招商伊敦(ZHAO SHANG YI DUN)になりました。船籍は中国・深センです。
2023年3月末にコロナ禍で中止していた中国発着の国際クルーズの運航が再会され、2023年9月29日に招商伊敦として神戸港に初入港しました。

2024年1月バイキングクルーズは2024年秋にバイキング・エデンの日本発着クルーズを実施すると発表しました。
各旅行会社はバイキング・エデンの販売を開始しましたが、WEBサイトやパンフレットでは「船籍」については一切記載がありませんでした。
当初はバイキング・エデンとはどの船のことかが明確にされていませんでしたが、旅行会社の説明会では招商伊敦をバイキング・エデンに船名変更して運航すると説明がありました。

2024年11月17日、大阪で開催されたクルーズ・フェスティバルでバイキング・クルーズ担当者から、予定していた船名変更ができず招商伊敦の名前で運航すると説明がありました。又中国船籍であることも明言されました。
2024年11月23日、日本発着クルーズが開始されました。神戸港に見送りに行くと、船名・船籍問題により旅行をキャンセルした人に出会いました。取消料無料でキャンセルできたとのことです。
2024年11月末、船名が異なることによりクルーズ代金の一部返金の案内がありました。

私の手元にある最新と思われるパンフレットのツアータイトルには「バイキング・エデン」の名前が付いたままになっています。パンフレットの中には「登録船名は招商伊敦」との小さな記載もありますが、旅行申込者が正確な情報を知るために充分な情報が織り込めているのかは疑問です。

(船上で船名、船籍の問題はあったか?)
クルーズ中に使われる船名は常に「バイキング・エデン」です。船上での案内やアナウンスではすべて日本語が使われ、完璧に日本仕様です。他の日本発着の外国船よりも日本語フレンドリーです。
船籍の問題を感じる瞬間はありませんでした。バイキング・ヘリテージの説明やキッチンツアーで見学したキッチン内に中国語が多く見られのが僅かに中国船であることを感じる程度です。

下船前夜にバイキング・エデンのWifi経由でインターネットに接続して「天安門事件」を検索したら、なんらの制限なく関連するコンテンツが表示できました。

①神戸出港(1/9)
②別府寄港(1/10)
③釜山寄港(1/11)
④細島寄港(1/12)
⑤高知寄港(1/13)
⑥神戸帰港(1/14),まとめ
⑦レストラン
⑧船内施設


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