|
|
|
|
私のキャビンは8階のシースルーエレベータの近くにあり、9階のビュッフェスタイルレストランやオープンデッキに直ぐにいける便利な場所にあります。私にとって初めてのベランダ付きキャビンですが、全体の約70%がキャビン付きのコスタ・アトランチカでは標準的なキャビンになります。カーテンを開け放して就寝すると、翌朝ベランダからの自然な明かりで目覚めることができます。ベランダから入港風景を見ながら隣のキャビンの方と朝の挨拶をします。部屋の大きさはそれ程でもないのに、ベランダの大きなガラス扉からの光りで部屋が広く感じられます。
各フロアーの廊下は、色で区別できるようになっていて、8階は緑で統一されています。部屋と部屋の間の壁にもそれぞれ別の柄の絵が書かれています。扉の脇には伝言メモ用の手紙受けが用意されています。
コスタ・アトランチカの船内新聞は「Today」です。旅行会社からの案内では日本人乗組員が乗船していて日本語の新聞を配ってくれることになっていましたが、「病気」との理由で日本人乗組員は乗船していませんでした。そのため、船内新聞は当初英語版が配られていましたが、我々の添乗員さんが英語版原稿のワープロデータを翻訳して、日本語版を作成してくれました。おかげで、英語版と日本語版の新聞を配ってもらえることになりました。僅か20名程度の日本人乗客では、代わりの日本人乗組員を乗せることができないのが実情でしょうか?
本クルーズの乗船客の数を、話す言語で順番付けると、イタリア語、ドイツ語、フランス語、英語、スペイン語の順の様です。これは、夜のショーの時にクルーズディレクターの各国語での挨拶に対する反応から推測しました。船内の案内放送の順序もこれと一致していたように思います。但し、避難訓練の時の説明は何故か英語が一番先です。インフォメーションデスクの担当の方は、制服に国旗のバッジを付けて何語が話せるかを示していました。
日本人乗組員が乗船していないため、日本人のための乗船時や下船の案内はすべて英語の担当ホステスの方が面倒を見てくれます。乗船時、キャビンにホステスの方からのメッセージが届けられていました。我々は、色々な手続きを添乗員さんを任せることがほとんどだったので、ホステスの方から直接説明を受ける機会はありませんでした。
メインレストランは、2階と3階の2層続きのティツィアーノレストランで、我々一行には下層最後尾の2つのテーブルが与えられました。メンバー間で入れ代わりながらクルーズ中の夕食をとりました。ファーストシッティングの私達の食事は18:45から始まります。コースは、オードブル、スープ、パスタ、メインディッシュ、デザートで、毎回パスタが入っているところがイタリア料理の証でしょうか。1週間のイタリア料理連続は初めての経験でしたが、味付けには違和感なく、量も適量といった感じです。日本のイタリア料理よりもシンプルな料理で、その分感激はありません。
レストラン内では、ノンアルコールを含め飲み物はすべて有料です。アルコールを飲まない私はガス入りのミネラルウォータ(Lit.3,000)を飲んでいましたが、大きな瓶なので飲みの残すとワインと同じようにボトルキープしてもらえます。イタリアでは、食後のコーヒや紅茶をレストランで飲む習慣はなく、場所を変えてバーやカフェで飲むとのことです。船でもその慣習に従っているようです。コスタ・アトランチカがアメリカ地区で運航されているときにも、イタリア式なのでしょうか、それともアメリカ式なのでしょうか? 気になるところです。
■■船長主催歓迎ディナー■■ ◆前菜 ◆スープ ◆パスタ ◆グルメのパスタ ◆メインディッシュ ◆グリル |
◆サラダ(お好みの味付けでどうぞ) ◆チーズ ◆デザート ◆ノンシュガーデザート ◆おすすめワイン |
レストランの窓と窓の間の壁には絵が書かれ、手すりの角には彫刻が乗っていて、「芸術のイタリア」をこれでもかと印象付ける装飾です。フォーマルの日には、窓のブラインドを下ろされていましたが、これにも絵が書かれています。ブラインドは3種類窓にセットされていて、その日の雰囲気に合わせて変えているのかもしれません。
本クルーズのドレスコードは、フォーマル1日、カジュアル4日でしたが、フォーマルナイトにタキシードを着ている人はほとんどいませんでした(皆無に近い)。コスタ・アトランチカはタキシード率が比較的高いと聞いていたのですが、クルーズによって大分差がある様です。
初日の夜ベニス出港直後に食事を採っている時には、テーブル付近がかなり振動していましたが、翌日同じテーブルでもあまり振動は感じませんでした。船足が変わったせいかもしれません。
3日目はイタリアンディナーで、ウェイターはイタリアの地図の描かれた制服を着て、レストラン内はイタリア国旗のトリコロルカラーで装飾されています。食事中、突然音楽が始まるとウェイターが踊りだし、乗客はナプキンを振り回してそれに答えます。やがてウェイターを先頭にレストラン内で行進が始まり、乗りの良い我々ツアーの一行はまっ先に行進に参加しました。
|
(デザートはクレープシュゼット) |
夕食は、スペシャルレストラン クラブ・アトランチカでも採ることができます。クラブ・アトランチカは10階にあるラウンジ風のレストランで、テーブルセットはベルサーチで統一されています。追加料金30000リラの他10%のサービス料が必要です。席数が少なく予約が取りにくいレストランですが、我々一行のうち1組みの人が予約をとることができ、食事の内容、雰囲気ともに良かったと感想を聞かせてくれました。ただ、船が揺れた夜だったため、予約で一杯だったにも拘わらずお客さんが少なくて寂しかったとのこと。
|
メインレストランのティツィアーノレストランでは、朝食・昼食も2回制ですが、指定席ではないので好きな席を選ぶことができます。自由席ですが食事の開始時間から遅れて行くとレストランの扉が閉められてしまうので注意が必要です。メニューから選んで注文する方式ですが、朝食時には、果物ながレストラン真ん中のテーブルに置かれ、ビュフェスタイルで採ることができます。
朝食・昼食は、ビュッフェスタイルの9階ボッティチェッリレストランで採る人が多い様です。ボッティチェッリレストランのコーヒやジュースは、青や緑の半透明の大きなプラスチックカップで飲みます。たくさん飲む人には非常に都合のよいカップですが、熱いコーヒは陶器のカップで、冷たいジュースはガラスのグラスで飲みたいところです。
朝食はルームサービスが無料で注文できます。プライベートデッキでの朝食も美味かもしれません。
午後のティータイムの時には、好きな紅茶の葉でティーバックを作ってくれるサービスをしていました。
ボッティチェッリレストランに隣接したピッツェリア ナポリでは深夜2時までピザがだべられます。
ボッティチェッリレストラン | ティータイムのケーキ |
深夜0時から始まる夜食は、各ラウンジでアイスクリームなどのスナックがサービスされる日と、メインレストランでケーキや果物がきれいにデコレーションされて演出される日が交互にありました。私は自分の健康を優先させて写真を撮るだけで我慢しましたが、大勢の方が行列を作っていました。
|
|
夜のメインショーは船首にあるカルソーシアターで行われます。影絵、物まね、マジック、プロダクションショーなどがありました。プロダクションショーは古代から現代までのイタリアの歴史を歌とダンスで表現するショーで物語りの構成がよくできていて楽しめました。
クルーズディレクターは若いイタリア人女性で、ショーの前後に登場する彼女の早口なイタリア語を聞くだけでも、イタリアの船に乗っている実感が湧いてきます。
最後の夜、我々日本人グループのために、船長、ホテルマネージャー、クルーズディレクター、英語担当ホステスの方に出席して頂き、プライベートパーティを開催することができました。歓談や記念撮影などの後、船長の「船は揺れていますが、これ以上に揺れることはないので、安心してください。」との言葉でお開きになりましたが、その後ますます揺れが激しくなり、クルーズの最後を盛り上げる予定の、プロのダンサーや乗組員が参加したバイバイショーは中止になってしまいました。このクルーズで、このショーの中止が一番残念でした。
|
|
コスタ・アトランチカにはラウンジやバールが10箇所くらいあって、夜にはどこかで何かしら演奏が行われています。
コスタ・アトランチカのラウンジやその他の公室の中には入り口が分かりにくい場所があり、その気にならなければたどり着けません。プライベートパーティーを開催したディスコや、船首のチルドレンルーム(ピノキオ)、礼拝堂も分かりにくい所にあります。これらの場所を探し出してすべてのパブリックスペースを制覇するのも楽しいものです。
私にとってコスタアトランチカの最大の欠点は、船の前方が見渡せる展望ラウンジが無いことです。ブリッジの上はジムになっています。最近ここにジムを持ってくる船が多いのですが、私には納得できません。ジムの前のデッキに行くこともできるのですが、ここに高くて茶色の風防があって写真を撮ることすらできません。
デッキにはプールが2つあって、片側には可動式の天井があって雨の日でもプールが使えます。また船尾に小さなプールがあって滑り台がついています。滑り台の利用可能時間は限定されていて、船内新聞で確かめる必要があります。
船会社の案内によると、コスタクルーズのすべての船でインターネットができるようになったとのことです。コスタ・アトランチカでも図書室の中にあるインターネットカフェで15分14000リラで利用できます。私が覗いた時にいつもガラガラでしたが、グループの他の人の話では盛況の時間帯もあり、ネットサーフィンを楽しむというより、寄港地での観光の予約に使っていたのではないかとのことです。日本の船でもこのような使い方ができれば、船会社主催のショアーエクスカーションに参加しなくても効率的な観光ができるかもしれません。