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QUEEN BEETLE(JR九州高速船) 総トン数:2,582トン 全長:83.5m 型幅:20.2m 航海速力:36.5ノット 旅客定員:502名 建造:2020/10 |
長崎、五島列島、博多で6隻の船を乗り継ぐ船旅を楽しんで来ました。
船名 | 船社 | 航路 | 乗船日 |
①さんふらわあこばると | フェリーさんふらわあ | 大阪~別府 | 10/13 |
②万葉 | 九州商船 | 長崎~福江(五島) | 10/14 |
③五島列島、博多湾の船 | |||
④太古 | 野母商船 | 福江(五島)~博多 | 10/15 |
⑤きんいん1 | 福岡市営渡船 | 博多~西戸崎 | 10/16 |
⑥クイーンビートル | JR九州高速船 | 博多湾遊覧 | 10/16 |
⑦やまと | 阪九フェリー | 新門司~神戸 | 10/16 |
クイーンビートルはジェットフォイルに代わる新造船としてオーストラリアのオースタル社で建造されましたが、新型コロナの蔓延により日韓の往来が厳しく制限されているため、完成後も博多~釜山航路に就航できない状況となっています。
クイーンビートルはパナマ船籍のため日本国内での営業運航ができない規則(カボタージュ規制)になっていますが、新型コロナ禍の特殊事情に鑑みた特許(特別許可)を得て、外国船でありながら博多港を発着する国内航路のクルーズを実施しています。
※新型コロナ禍における国際航路の運航制限が長期化しているため、2022/3に日本船籍船に変更して国内での臨時運航を拡大することが発表されました(2021/12/16)
クイーンビートル |
尖った船首、赤い船体は博多港の中でひと際目立ちます。実際の船を見ると想像していたより遥かに大きいです。
トリマラン(三胴船)なので幅が広く、見た目は大きいですが、総トン数は小さめです。
ターミナルビル屋上から |
博多港国際ターミナルで受付です。ビートルは定期航路の運航を停止し、カメリアラインも旅客の運送を停止しているので、ターミナル内は博多湾遊覧のお客さんがちらほら見られるだけで寂しいです。
博多港国際ターミナル |
博多港を発着するクイーンビートルの国内クルーズは ①福岡湾遊覧コース(90分)、②サンセットコース(120分)、③沖ノ島遊覧コース(200分)があり、③は旅行会社のみの販売です。
私は①福岡湾遊覧コースに乗船しました。料金はスタンダードクラス4,400円、ビジネスクラス5,900円です。
「博多湾遊覧」の方が通りが良いように思いますが、JR九州高速船は「福岡湾」の表記です。
ターミナルに展示されていた クイーンビートルの模型 |
乗船開始の案内があったので、スタッフに先導されてターミナルビルからクイーンビートルまで約300mの距離を歩きました。雨も降っているし、岸壁なので風も強いです。傘を指しながらの歩行は苦痛です。途中屋根付きの簡易通路があるのですが通れません。本来国際航路の船なので、出国の手続きを経ない国内航路の場合は、通常の通路を使えないのかもしれません。
僅かな距離、僅かな時間ですが、高額なクルーズ料金から考えれば送迎バスがあっても良さそうな道程です。
ようやくクイーンビートルの前に到着しましたが、ここでも雨の中でさらに待たされます。段取りが悪いです 「早く乗せてくれ」。
1Fデッキプラン |
船内に入ると、乗船前のイライラ感が吹っ飛びました。広々とした船内と高級感あるインテリアにびっくりしました。クイーンビートルは水戸岡鋭治氏のデザインです。
スタンダードクラス席(前方から) |
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共用ラウンジから見たスタンダードクラス席 |
共用ラウンジ |
1F後方には共用ラウンジとキオスク(カフェバー)があります。カフェバーでは飲物や韓国風唐揚げ、プルコギ飯、サンドイッチなどの軽食を販売しています。
カフェバー |
メニュー |
船首にはキッズスペースと授乳室があります。キッズスペースには小さな入口から入っていきます。
キッズスペース | キッズスペースの小さな入口 |
2Fデッキプラン |
2F前方はビジネスクラス席です。入口の扉を開けるためにはビジネスクラス客用のカードキーが必要です。ビジネスクラスではソフトドリンクが無料です。
ビジネスクラス席 |
2F後部には免税店があります。スナック類やクイーンビートルのオリジナルグッズなどが販売されていました。遊覧コースは国内航路なので免税ではありません。
免税店 |
ピンバッチを購入 |
ロッカー室 | 自転車保管スペース |
船体後部には二層に亘ってロッカー室があります。1Fと2Fの間はスロープになっているので、スーツケースを転がしながら運ぶことができます。
1Fと2Fを結ぶスロープ |
3Fデッキプラン |
3Fにはサンデッキがあって船の航跡が見られます。何故かここだけは「福岡市営渡船」の雰囲気で、クイーンビートルの船内とは思えない異空間です。ここも水戸岡さんのデザインなんだろうか?
サンデッキ | 船尾にはパナマの国旗 |
階下への階段(リフト付) |
サンデッキの後部に扉がありますが、航海中は外に出られません。
クイーンビートルにはエレベータはありませんが、階段の手すりにリフトが付いています。
サンデッキはこうなる予定だった? |
この日は前線の通過があり、時より強い雨が降る生憎の天気でした。海上では風が強まり、目で見ても波が押し寄せてくるのが分かる程です。
今回乗船したのは博多湾内を行ったり来たりするコースです。スマホで測定すると最高速度は25ノット程度でした。クイーンビートルが方向転換する際にはまるで小舟に乗っているような大きな揺れがありました。
出入港は鈍重で、もたもたしています。「もう岸壁に着いたかな」と思ったのに、そこからさらに着岸・下船まで時間が掛かりました。
天気が良ければ快適だったのでしょうか? 玄界灘ではこれくらいの波はざらにあるようにも思います。 乗り心地が悪いと「ジェットフォイルの方が良かった」となりそうで心配です。
舷側 |
赤色の救命いかだ | 1F船尾 |