コスタビクトリア
中国・韓国クルーズ(1)
寄港地の紹介
(2012/8/10〜8/17)

コスタビクトリア(コスタクルーズ)
総トン数 75,000トン
全長253m、全幅32m
就航1996年

(1)寄港地の紹介(このページ)
(2)コスタビクトリアの船内
(3)出会った船


上海を起点に中国人客をメインターゲットにクルーズを実施しているコスタビクトリアに乗船してきました。 コスタクルーズは途中寄港地からの乗下船が可能なので、ちょうどお盆休みに合致する大阪発着のクルーズに乗船してきました。 乗船客は約1800名で75%位が中国人、残りが日本人、韓国人になります。

月日 寄港地 入港 出港
8/10(金) 大阪   23:59
8/11(土) 和歌山 07:00 17:00
8/12(日) 終日航海
8/13(月) 上海 09:00
->10:00
19:00
8/14(火) 済州島 14:00 20:00
8/15(水) 釜山 08:00 19:00
8/16(木) 終日航海
8/17(金) 大阪 08:00


1日目(8/10) 大阪

天保山の渡船から撮影

徳島や淡路と大阪を結んでいた高速船の窓口があった建物が乗船受付場所です。 後に訪れる上海のターミナルとは比較できない程の貧弱さです。 パイプ椅子が並んだ殺風景な待合所でしたが、冷房がよく効いていたのが幸いでした。(この日は暑かった)。
乗船受付場所には、日本の旅行会社数社とコスタクルーズが机を並べただけの簡単な受付を設けていました。 

15時頃受付を開始しました。 コスタクルーズの受付では、チケットとパスポートの確認のみで、他のクルーズ船ではよくあるクレジットカードの登録をここでは行いません。 コスタカード(IDカード)もここでは受け取りません。
乗船口では、チケットとパスポートを提示してID用の写真撮影があります。 荷物のX線検査を受けて、パスポートのコピーを取ります。パスポートのコピーを受け取って、パスポート自体は船のスタッフに預けます。一連の流れが事前に知らされていないので、戸惑っているお客さんが多かったです。

キャビンへの案内はなく、自力でキャビンを探します。 キャビンのドアにはキーが差さっていました。 キーは細長い板状(およそ 12cm X 4cm 厚さ1mm)で表面の窪みがキーの識別になっています。 コスタカードはベッドの上に置いてありました。

最近のクルーズ船ではIDカードは、ID機能、部屋のキー、船内支払いの3つの機能を持っていますが、コスタビクトリアでは、部屋のキーは別ということです。 このキーが長すぎてカードフォルダー(首から下げる)に入らず、持ち歩くのに不便でした。

宅配で送ったスーツケースは部屋の中に入っていました。

クレジットカード登録機

船内の支払いをクレジットカードで決済するためには、乗船後48時間以内にクレジットカード登録機で自分自身で手続きする必要があります。 現金での支払いの場合は、船からの指定時間、指定場所でデポジットを預けます。 デポジット額を超えると船内での飲み物などの購入ができません。 船内の通貨はUS$です。

乗船説明会と避難訓練

乗船した時には既に昼食の時間は終わっており、しばらく待ってティータイムで小腹を満たしました。

夕食前に、大阪から乗船した日本人船客向けの説明会がありました。 説明会に引き続き避難訓練もありました。 避難訓練はシアターで説明を受けた後、救命胴衣を着て救命ボートの場所まで行き、簡単な説明を聞いて解散です。 避難訓練への参加確認のため、部屋に置かれたエマジェンシーカードをスタッフに渡します。

ダンスで世界一周

この夜のシアターでのイベントはビデオ上映なのでパス。 デッキでは遅くまでゲームやダンスパーティが開かれました。 船内のイベントは「アニメーションチーム」が司会、進行を行います。 説明は、英語、中国語、日本語、韓国語で行われます。


夜の天保山

日付が変わる直前にコスタビクトリアは天保山を離れました。


2日目(8/11) 和歌山

今回のクルーズの日程表をみて何故和歌山に寄港と思った人も多いはず。 日本のクルーズ船も入らない和歌山に何故。 おまけに前の日は大阪なのに。 和歌山に入るより大阪で一泊した方が、船にとっても、乗船客にとっても都合が良いように思います。

将来、大阪湾への入航をやめて、大阪・神戸の代わりに和歌山に入る計画の予行演習との見方もあるようです。

朝起きてデッキに出て見ると、コスタビクトリアは紀伊水道の東端を北上していました。 船舶が輻輳する海域を避けて夜間に南下し、時間調整していたものと思われます。

遠くに、大阪に向かう 「さんふらわあ さつま」と神戸に向かう「ふじ丸」が見えました。

和歌山には7:00に着岸しました。(当初予定は8:00)

和歌山港入港

和歌山ではパスポートのコピーを持参して上陸ですが、入出国の検査はありません。 後でパスポートを確認したら、出国スタンプはWAKAYAMAでした(珍しい)。

和歌山港のコスタビクトリア

岸壁では観光協会がパンフレットを配ってPRと説明に当たっていました。 

和歌山港の岸壁は南海フェリーの南側の岸壁で、公共交通機関からは遠く、またフェリー乗り場を発着する南海電車やバスも本数が少なく不便です。 多くの中国人は観光バスで出かけました。 他の乗船客はタクシー乗り場の列に並びましたが、タクシーがなかなか来ず長蛇の列、外出を諦めた日本人もいました。

歓迎 のぼり 和歌山のゆるキャラ「吉宗くん」

私は早々と外出を諦め、プールデッキで日光浴です。 この日は曇り空で日差しが弱かったので過ごしやすかった。 デッキには2つのプール(海水)と4つのジャグジー(真水)があります。 

ジャグジーの子供の利用はできません。 タオルはデッキに用意してあります(貸し出し手続きは必要なし)。

プールデッキは人影少なくゆったりと ジャグジーも一人占め

和歌山出港17:00。 岸壁ではジャズの演奏で見送ってくれました。

イタリアンディ

この日の夕食はイタリアンディ。 イタリア民謡に合わせて行進も始まります。


ガラビュッフェ

この夜の夜食はケーキのショーでした。 日本語の船内新聞には「おつまみ」として書いてありませんが、所謂ガラビュッフェです。 日本人客で見落とした人も多かったのでは。

ケーキやクッキーが、氷像や野菜の彫刻と一緒にギャレー内に飾られています。 そこから好きな物を取り分けて、隣のレストランで食べます。 

この夜、時間を1時間戻して、上海時間に合わせます。


3日目(8/12) 終日航海日

朝起きるとコスタビクトリアは大隅半島の東を航行中です。 曇り空で時折スコールもある空模様です。

大隅半島沖を航行中

デッキや船内では各種のイベントが開催されました。 ほとんど全てのイベントで各国語の説明があります。

オリンピックゲームの表彰式

5階のメインホールではレストラン部門のデモンストレーションが多く開催されました。

クッキングデモンストレーション
ベジタブルカービング

11階の後方にはビュッフェレストランがありますが、この日の昼食では、ビュッフェレストラン前方のグリルでは通常のハンバーガとホッドドックに加えてケバブが供され、また船尾のカフェではムール貝のソティに長い行列ができました。

ケバブ 沢山入れてくれたムール貝

今宵はフォーマルディ(ガラフォーマル)、ですが短パン、Tシャツの人もいます。 これを気にする人はこの船は楽しめません。 ガラフォーマルの名前は初めての経験です。

船長主催のカクテルパーティ 最後にチアーズ

船長主催のカクテルパーティなのに船長の登場が遅すぎました。乗客との記念撮影が長引いたのかもしれません。船長登場前に帰ってしまった人が沢山いました。

メガネをかけてメモも見ながらですが、船長が各国の言葉で挨拶していたのは立派。


4日目(8/13) 上海

朝起きるとコスタビクトリアは、もう少しで揚子江の河口という地点をゆっくり航行していました。 前後に多くの船が並んで航行しています。

湿気が多くて靄っていて視界は良くありません。 揚子江に入って川岸には多くの造船所と貨物船が見えます。 4年前に来た時よりもさらに発展しているように感じます。

デッキで岸辺を眺めていると船内放送が入って、上海入港が1時間遅れるとのこと。

船尾のカフェ。後ろに多くの船が続いている 川岸の造船所は霞んでいる

上海港の宝山クルーズターミナルに10時に着岸しました。 パスポート持参で上陸します。 パスポートは前日に船側から返却がありました。 上海に上陸せずに船内に残る場合は特別な申請が必要です。

宝山クルーズターミナルは完成して間もないターミナルで、入国審査場なども空港風です。 顔写真を撮られてパスポートの写真と照合が終わると入国です。

宝山クルーズターミナルに接岸 宝山クルーズターミナルのエントランス

クルーズターミナルから上海の中心部までは、バスと地下鉄を乗り継いで行けますが、かなり遠いです。 日本人向けに日本語のツアーが2種類用意されていました。 他に上海中心部までバスで往復するだけのツアーがあり、自由行動の人にはこのツアーが便利です。 

上海環球金融中心 
展望台(地上474m)からの上海の街並み

上海では、高さ492mの上海環球金融中心(森ビル)に昇って、上空から上海の街並みを見物しました。 しかし視界は悪く、上海は霞んでいました。 眼下に蘇州号が停泊しているのが見えました。

外灘からの景色

上海では飲茶料理を食べて、定番の豫園を見学しましたが、豫園を出たところでスコールに合い、雨宿りの場所を求めて右往左往してしまいました。

宝山クルーズターミナルのコスタビクトリア

この日の夕食もスタッフが盛り上げていました。

夕食のパフォーマンス

この夜、韓国時間に合わせるため、時計を1時間進ませます。



5日目(8/14) 済州島

この日も鬱陶しい天気です。 済州島には午後入港です。 

午前中にリピーターズパーティがありました。 入り口で船長との記念撮影をして会場に入ります(写真は無料でプレゼント)。 会員の特典として船内ツアーやインタネット利用料金の割引がありました。 ガラディナーの日にチョコレートのプレゼントがあるはずでしたが受け取れませんでした。 この船では待っていては特典を受けられないので注意です。

リピーターズパーティ

済州島に近づくに伴い、一層天気が悪くなってきたようです。
済州島着岸は14時(当初予定は13時)。 観光入国時にはパスポートのチェックはありません。

済州島

4年前にラプソディオブザシーズで済州島に来たときはテンダーボートで上陸しましたが、今回は港も変わって岸壁に着岸です。 隣にはフェリーターミナルがあり、見覚えのある日本の中古フェリーが出入りしていました。

日本語のツアーは3種類用意されていました。 免税店行きのシャトルバスが運行されていたようですが、案内書には記載はなく定かではありません。

三姓穴

済州島では、三姓穴と龍頭岩、東門市場を見学しました。 三姓穴は三神が湧出したと伝えられる済州島発祥の地。 竜頭岩は高さ10m位の岩で長い歳月にわたり波涛と風にさらされもたらしたその形態が、竜の頭に似ているというので竜頭岩と呼ばれる。 

竜頭岩

済州島のコスタビクトリア

20時(当初予定は19時)済州島を出港すると、煌々と光る漁火を見ました。 東門市場では太刀魚が沢山並んでいましたが、この辺は良い漁場なのでしょう。

済州島出港 漁火



6日目(8/15) 釜山

釜山も湿気が多くて、冷房のよく効いた船内からデッキに出ると、カメラのレンズが曇ってしまいました。 急遽スマホで撮影。

釜山入港

日本語のツアーは3種類用意されていました。 ターミナルの近くには路線バスも来ていたし、韓国はタクシー料金が安いのでタクシーでも中心部まで行ってもOKです。
ターミナルの近くには海事博物館があります。(見学した人の感想では、なかなか良かったとの事。)

釜山のクルーズターミナルは釜山の向かいの島の中にあります。 島の中には造船所がありますが、4年前に来た時と比べて明らかに活気がありません。 数多くの建造中の貨物船が並んでいたのは今は昔の様です。(中国に持って行かれた?)

シャワーの止み間に見学した 海東龍宮寺

釜山では、海東龍宮寺 、海雲台ビーチ、国際市場を見学しました。 昼食は焼肉と石焼ビビンバです。

海雲台ビーチ。風が強く、波が荒かった

釜山のコスタビクトリア

この夜は、船首のラウンジ(コンコルドプラザ)でカーニバルパーティがあり、夜遅くまで賑わいました。

ちびっ子も遅くまで頑張りました
カーニバルパーティ


7日目(8/16)終日航海日

朝起きると、コスタビクトリアは甑島の沖合いを航行していました。

終日航海日にはデッキでは、ダンスやゲームを中心に多数のイベントが開催されます。

終日航海日のプールデッキ

この日のメインイベントは船内ツアー(有料49$)です。 この回に参加したのは日本人だけで日本語での案内です。写真撮影は禁止です。

見学場所
@クルー用のレストラン
3箇所あり、士官用、洋食、アジアンに分かれている。
通路に曜日ごとのベッドメーキングのサンプルの写真が掲載されていた。

Aクルーのバー
クルーパティーが2〜3回/月開催される。 
ここで飲み物のサービスを受けながらQ&A。
クルーの心身の面倒を見る担当がいる。 上陸時にはクルー向けのツアー(無料)がある。
本船は、ブラジル(2月末)、大西洋、イタリア、ドバイ、シンガポール、香港、上海(5月) と航海してきた。

B食料庫
多くは上海で積み込み。日本は高いから。 12万ユーロ/週の積み込み
-80度の冷凍庫にも入って冷たさを体験できた。

Cカーペンター
海が荒れると壊れ物が多くて忙しくなる

D水道屋
部屋に魔よけのニンニクを吊るしていた

E電気屋
50〜60件/日の修理依頼がある

Fエンジンコントロールーム
6機の内4機のエンジンが稼働中で、約17.2ノットの速力。

G洗濯屋
やっぱりこの船も洗濯係は中国人

Hギャレー
メニューは本社が作成。 乗船客の趣向などで船側がアレンジ。

Iシアター
メーク室や衣装室を見学した。狭いです。音響や照明装置のデモンストレーションがあった。

Jブリッジ
ドック入りはシンガポール
ブリッジで、カクテルとカナッペのサービス
船長との記念撮影は料金込み
子供へのサービスとして汽笛のボタンを押させてくれた

大隅半島 佐多岬沖 
遠くの山は開聞岳
手前は種子島からのジェットフォイル

この日のデッキの特別料理

午後に下船説明があり、その後乗り組みの挨拶がありました。

下船説明会

事前の案内ではフォーマルディは1日だけと聞いていましたが、この日もフォーマルでした。

最後の夜はやっぱり ベイクドアラスカ



8日目(8/17) 大阪

この日起きると、船は和歌山沖でした。 後方に宮崎カーフェリーが見えましたが、いつもより東側を航行している感じがします。

友が島 日の出

案内に従い、スーツケースは深夜1時までに部屋の外に置いておきました。 朝食後8時までに部屋を明け渡す必要があります。

朝食の後、船尾のカフェでコーヒを飲みながら入港風景を眺めます

大阪港では消防艇の放水と扇町総合高校のブラスバンドの出迎えがありました。

大阪入港

入港後、シアターでパスポートを受け取って上陸です。 上陸は観光に出かける外国人が優先で、下船の日本人はその後です。 入国審査ではパスポートのコピーを提出します。 入国カードの代わりでしょうか? 税関のチェックを受けて外に出ると、宅配のカウンターがあり荷物を預けると、後は身軽に大阪港を後にしました。


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