(1)寄港地の紹介(このページ)
(2)クィーン・ヴィクトリアの船内
(3)船内の絵画
(4)クルーズで出会った船
Queen Victoria(Cunard Line) at Rotterdam 総トン数:90,000トン 全長:294m、全幅:32.3m 旅客定員:2,014名 就航:2007年 ディーゼルエレクトリックポッド式 |
月日 | 寄港地 | 入港 | 出港 |
5/2(土) | Southampton(United Kingdom) | ** | 17:00 |
5/3(日) | Cherbourg(France) | 08:00 | 18:00 |
5/4(月) | Rotterdam(Netherlands) | 12:00 | 23:59 |
5/5(火) | Zeebrugge(Belgium) | 08:00 | 17:30 |
5/6(水) | Southampton(United Kingdom) | 06:30 | ** |
先日引退したクィーンエリザベス2は、少年時代の憧れの船でした。同じキュナードの客船に乗るので期待が膨らみました。
4泊5日のショートクルーズは、丁度日本のゴールデンウィークに合致し、参加しやすい日程になりました。 反面、短期間のために十分にクルーズ気分が味わえない欠点もあります。
クィーンヴィクトリアは、今年3月に長崎港に寄港したばかりで話題性も十分です。 参加しやすい日程とが重なり多くの日本人客を集めました。
多くの日本の旅行会社がツアーを企画しましたが、料金に大きな差がありました。 私が申し込んだ旅行会社は最安値だったので、一社で60名のお客さんを集めました。
乗船客ランキング(合計1959人,22ヵ国) | |||||
1 | イギリス | 1637人 | 6 | フランス | 13人 |
2 | 日本 | 184人 | 7 | ロシア | 10人 |
3 | アメリカ | 51人 | 8 | ノルウェー | 7人 |
4 | ドイツ | 16人 | 9 | イタリア | 6人 |
5 | アイルランド | 14人 | 10 | スイス | 4人 |
日本からヨーロッパへの航空便の殆どは午後に目的地に着くので、クルーズの場合通常前泊が必要です。
今回も夕刻にロンドンに着いたので、空港から直接ホテルに向かい、チェックインしました。
せっかくのロンドンですので、夕食後にロンドンの夜景を見てきました。
タワーブリッジ | テムズ川のHMS ベルファスト |
国会議事堂−ビックベン | ウエストミンスター寺院 |
ロンドン・アイの対岸 | ロンドン・アイ |
ロンドンの中心部からサザンプトンまでは、高速道路を使って約2時間の距離です。我々の乗ったバスは生憎、事故渋滞に巻き込まれてしまい、3時間近く掛かってしまいました。
サザンプトン港に到着すると、直ぐにキュナードカラーの船体が見えました。てっきり今から乗船するクィーンヴィクトリアだと早合点してしまいましたが、建物の間から覗かせた船首の形状から、クィーンメリー2だと解りました。キュナードの2隻の客船が並んでいる姿が見られるチャンスがあれば。 と期待です。
しかし我々のバスは、クィーンメリー2とは逆の方向に進み、かなり長い距離を走った後、クィーンヴィクトリアの泊まるターミナルに到着しました。
クィーンヴィクトリアが停泊するターミナルがメイフラワークルーズターミナル、クィーンメリー2のターミナルはクィーンエリザベスUターミナルであることが、後になって解りました。
キャビン番号のタグを付けたスーツケースを荷物係りに預けた後、チェックインです。チェックインの際には、新型インフルエンザへの対策のため、健康アンケートの提出を求められました。乗船書とパスポートを提示し、船内精算用のクレジットカードの登録をしてチェックインは終了です。パスポートは船に預けます。
ここでクルーズカード(IDカード)を受け取りますが、残念ながらクルーズカードは下船時に回収されてしまいます(私にとっては、乗船記念品として大切なのに)。
キュナードの乗船書は立派な造りです。乗船者の氏名が、乗船書本文と同様に綺麗に印刷されています(氏名のみ後刷りされた風ではない)。自分のキャビンの場所も印刷で図示されています。(これは便利)
メイフラワークルーズターミナルの中は、P&Oの客船のポスターが多く貼られていました。手荷物のX線検査と身体の金属探知検査を終え、乗船待合所に案内され、番号カードを渡されました。
乗船待合所しばらく待った後、番号が呼ばれると乗船です。記念撮影のカメラマンが待ち構えているのは定番ですが、素通りして行く人が多かったです(他の船では、”写真を撮らないと通らせない”という雰囲気があるのですが)。
ギャングウエイでクルーズカードを通して、セキュリティ用の写真を撮して船内に入ります。手の消毒はありません。
船内では、クルーによる船室への案内はありません。自分のキャビンがあるフロアーに行くとクルーが待機していて、キャビン番号を告げると進むべき方向を示してもらえます。 しかし、自分でキャビンへ行きます。当然、キャビンの設備の説明はありません。
キャビンには、まだスーツケースは届いていなかったので、9階のリドビュッフェで昼食を取りました。この日昼食のためにオープンしているのはリドビュッフェだけです。
昼食から戻るとスーツケースが届いていました。 私のインサイドキャビンのクローゼットは広さは十分ですが、レイアウトが悪く、棚の使い勝手も良くありません。同じツアーの方からも、同様な意見を聞きました。
ふと気がつくと、ウェルカムドリンクが用意されていました。ワインクーラにボトルが入っていました。この辺りがキュナードらしいところなのでしょう。上級船室(グリルクラス)のドリンクはシャンパン、その他の船室はスパークリングワインらしい。
しばらく船内探検をした後、ボートドリル(避難訓練)に参加しました。救命胴囲は手に持ったまま、私の集合場所のレストランに向かいます。人員点呼はありません。非常時の対応に関する説明(英語のみ)を聞いた後、乗組員のデモを見ながら各自救命胴囲を着用しました。救命胴衣を脱いだら解散になりました。
まもなく出港 | 後部デッキでは出港パーティ開催中 |
出港時刻の17時になっても、ヴィクトリアは動く気配がありません。遠くにクィーンメリー2が見えています。ヴィクトリアがクィーンメリー2の前を通って出港すると好都合なのですが。
しかし、遠くから出港を告げる汽笛が聞こえてきました。残念ながら、クィーンメリー2が先に解纜したようです。私の近くで同じ様にカメラを構えていた外国人の方が、「クィーンメリー2がこちらに向かって来るのでは」と、密やかな期待を抱かせてくれましたが、入船のクィーンメリー2がゆっくり回頭するのが見えました。絶望的です。
クィーンメリー2がお尻を見せ始めた頃、ヴィクトリアの汽笛が鳴りました。時刻は、18時近くになっていました。
夕食に時間になったので、ダイニングに急ぎました。
クィーンメリー2が先に解纜 |
シェルブールは、フランス北西部コタンタン半島先端に位置する街です。サザンプトンから南へ150Kmくらいの距離です。
フランス入国中は、パスポートのコピーの携帯を義務付けられました。
港から街の中心部まで無料のシャトルバスが出ました。今回のクルーズでは、どの港も無料のシャトルバスが出て乗船客に親切です。
キュナード主催のツアーの目玉は、第2次世界大戦のノルマンディー上陸作戦の上陸地を訪れるツアーです。ご丁寧にイギリス軍の上陸地とアメリカ軍の上陸地でツアーが別れています。
私は、日本の旅行会社主催のモンサンミッシェルを訪れるツアーに参加しました。日本からのパックツアーを主催した旅行会社のほとんどがモンサンミッシェルのツアーを企画していましたが、キュナードのツアーにはモンサンミッシェルはありませんでした。遠くて時間が掛かるからでしょうか(それとも、イギリス人には人気がない?)。
歓迎の放水の中、シェルブールに入港 | |
シェルブールからモンサンミッシェルまでは、バスで2時間30分から3時間くらい掛かります。パリから来た日本人ガイドの方は非常に時間を気にして、トイレ休憩の時も「ショッピングはお控えください」と急がします。
高速道路の発達で、最近はパリからの日帰り旅行も可能になったとのことですが、我々のバスがモンサンミッシェルに到着したときには、バスの台数は僅かでした。パリからは観光バスの到着はもっと後になるとの事。
モンサンミッシェル 午前中のためバスの数が少ない
モンサンミッシェルの見学の途中から霧雨になってしまいましたが、何とか傘なしで降りてこられました。
ガイドの方は「急ぎ足で見学しました」と語っていましたが、私にとっては十分な見学時間でした。
昼食にはオムレツを食べました。大きなオムレツを切り分けると、その中はメレンゲ状に泡だったオムレツでした。
帰国してから職場の人に「オムレツは食べた?」と聞かれる程、モンシャンミッシェルのオムレツは有名らしい。
モンサンミッシェルの入り口(左) 塔の先端が霧雨で霞んでいる(右) |
モンサンミッシェルの内部 |
メーデーと土日の3連休の最終日で、渋滞を予想して、トイレ休憩もせず帰り道を急ぎました。 しかし幸運にも渋滞に引っかかる事もなく、順調に走行できました。 お陰で時間に余裕ができ、予定外の教会を訪問しました。
ノルマンディー上陸作戦の時、ドイツ軍を挟み撃ちにする為に空挺部隊は内陸部に降下しましたが、その時教会の屋根に落下傘が引っかかって身動きが取れなくなった兵士が、長い時間宙吊りのまま死んだふりをして助かりました。これは、映画「史上最大の作戦」でも取り上げられたエピソードですが、この教会で起こった出来事です。
サン・メール・エグリーズの教会 (ノルマンディ上陸作戦のエピソードの舞台) |
シェルブールに戻るにつれて天気がよくなり、シェルブールは綺麗に晴れていました。
シェルブール港の クィーン・ヴィクトリア |
ロッテルダム港は、マース川沿いに形成されていて、ヴィクトリアはマース川をゆっくり上っていきます。
途中、元ホランドアメリカラインのロッテルダム号に出会いました。
ロッテルダム号は、世界一周クルーズなどでしばしば日本の港を訪れた事がある、私にとって馴染み深い船です。ホランドアメリカラインを離れて、レンブラントの名前で運行されていましたが、今年7月から保存展示船として再デビューの予定との事です。
船首と船尾に書かれた船名も「ロッテルダム」に戻され、オープンに向け工事を行っている様子でした。
マース川の河口 | 保存展示船としてオープン間近の ロッテルダム号 |
ロッテルダム港は大きな港で、ヴィクトリアが接岸した客船ターミナルは河口から30kmくらいの上流にあります。川を挟んで北側に市の中心部があります。
ロッテルダム入港は正午でした。入国検査はありませんが、オランダ入国中はパスポート本体の携帯が義務付けられ、船側からパスポートの返却がありました。
ロッテルダム港入港 |
客船ターミナル近くにはトラムの乗場があり、客船ターミナルの対岸には水上バスの乗場もあって、便利な場所です。
ロッテルダム港から市役所までの無料シャトルバスも出ました。
キュナードのツアーは、アムステルダムまで足を伸ばすもの、磁器で有名なデルフトを訪れるもの、チューリップが綺麗なキューケンホフ公園に行くツアーなどがあります。また、ロッテルダム市内観光や、風車のあるキンデルダイクへ行くツアーもあります。
私はツアーには参加せず、水上バスでキンデルダイクへ行ってきました。
SPIDO遊覧船(手前) と水上バス(黄色) |
歌と演奏による歓迎 |
キンデルダイクへは遊覧船によるクルーズもありますが月曜日は休航日なので、定期船の水上バスで行ってきました。
ロッテルダムからMerwekade行きに乗船し、Ridderkerkでキンデルダイク行きに乗り換えです。
ロッテルダムからRidderkerkまでは所要約30分、Ridderkerkからキンデルダイクまでは所要約10分です。各々30分毎に運行されていますが、Ridderkerkからキンデルダイクの便は平日9:45〜12:15の時間帯は運休です。
Merwekade行き水上バス | 水上バスの船尾デッキ |
乗船券は船内で購入します。ロッテルダムからキンデルダイクまでの運賃は、往復で7ユーロ20セントです。
オランダは自転車が多いので、デッキの自転車置き場は広いスペースを持っています。特に自転車料金は徴収していない様です。
キンデルダイク行きに乗り換えて往復乗船券を示すと、帰りの便に乗り遅れないようにと最終便の時刻(17:30)を教えてくれました。
キンデルダイクと対岸のKrimpenの間には、両頭のフェリーも運航されていました(尾道みたい)。
キンデルダイク行き水上バス | キンデルダイク-Krimpen間のフェリー |
キンデルダイクの桟橋から、風車までは徒歩で15分くらいです。
キンデルダイクには19基の風車があります。風車で有名なオランダでもこれだけ多くの風車が見られるのはキンデルダイクだけとの事。風車のうち1基は、内部の見学が可能です。(入場料3ユーロ50セント)
キンデルダイクの風車 |
遊覧船からの見学も可能 | 内部の見学ができる風車 |
ロッテルダムは、第二次世界大戦の爆撃で壊滅的な被害を受け、古い建物が残っていません。唯一デルフスハーフェン地区は古きよき時代の町並みを再建して、中世の姿を見せてくれます。
デルフスハーフェン地区 |
デルフスハーフェン近くの桟橋 |
客船ターミナルに戻ると、「本日20時は静粛にしてほしい」との張り紙がありました。5月4日は戦没者記念日です。
ロッテルダムの出港時間は深夜0時です。
ヴィクトリアは入船で停泊していましたが、岸壁を離れても後進を続けました。 約1時間マース川を下った後、180度回頭して、ようやく船首を前にして進み始めました。
ロッテルダム港のクィーン・ヴィクトリア |
ゼーブルージュは、フランダースの北海沿岸にあります。
ゼーブルージュ港は液化天然ガス輸入の主要港であり また、同港は世界でも有数の新車積み出し港です。ヴィクトリが接岸した岸壁には、建設作業用の車両が並んでいました。
船内新聞と一緒に配られた港の地図には、クィーンヴィクトリアの着岸場所が異なる岸壁になっていました。 (この船の配布資料は信頼性に乏しい)
ゼーブルージュ港は、道路を挟んで南北に港湾施設があり、ヴィクトリが停泊した岸壁の横には、南北を繋ぐ水路がありました。その水路上の橋は跳ね上げ式になっていて、水路を船が通る時には橋が上がります。
キュナードのツアーは、運河や中世の町並みが美しいブリュージュを訪れるツアーが中心になります。ベルギーらしくチ
ョコレート工場を見学するツアーもあります。 ゲント、アントワープ、ブリュッセルに足を伸ばすものもあります。
ゼーブルージュ入港 | 水路の跳ね橋が上がる瞬間 |
ゼーブルージュのクィーン・ヴィクトリア |
港の近くに海洋テーマパークがあって、潜水艦と灯台船が見学用に展示されていました。 残念ながら、内部を見学する時間がありませんでした。
海洋テーマパークの展示船 (潜水艦(左)、灯台船(右)) |
無料のシャトルバスは、隣町のブランケンブルグまで運行されていました。ブランケンブルグからブルージュまでの鉄道があります。1時間間隔で所要11分です。
ゼーブルージュにも駅があって、ブルージュまで16分でいけます。こちらも1時間間隔です。
私は、ゼーブルージュ駅から鉄道を利用して、ブルージュに行きました(往復で5ユーロ40セント)。 ゼーブルージュの駅は分かりやすい場所にありましたが、ヴィクトリアの岸壁から徒歩で約30分で、ちょっと距離があります。ゼーブルージュにはトラムも走っているので、駅前までトラムで行くことも可能です。
ゼーブルージュ駅 | ブルージュ行きの電車 |
電車の中で、ブルージュのガイドをしている方から、お勧めのハンドメイドのチョコレート店を教えてもらいました。また、駅の案内所で詳細なブルージュのMAPが手に入ると教えてもらいましたが、残念ながら駅の案内所は閉まっていました。
駅からブルージュの中心マルクト広場まで、徒歩で約20分です。
マルクト広場 | 州庁舎(左)、鐘楼(右) |
マルクト広場のレストラン | 市庁舎 |
マルクト広場に面する鐘楼に上ってみました(8ユーロ)。 高さ88m、366段の螺旋階段を上ります。 まだ朝早く、観光客が少なかったので、待ち時間も無く楽に登れましたが、階段が狭いので人が多いと大変そうです。
鐘楼の上からの眺めは抜群 |
お土産は、ガイドの方に教えてもらった店(Depla Pol)とインターネットで調べた店(Van Oost)で買ったチョコレートです。
運河沿いの建物と運河巡りのボート |
サザンプトンの南に位置するワイト島を通り過ぎると、ヴィクトリアは右へ左へと直角に2回曲がってサザンプトンに向かいました。前方には、P&Oのオリアナが先行しています。
往きと異なり、ヴィクトリアはクィーンエリザベスUターミナルに、オリアナはメイフラワークルーズターミナルに接岸しました。
他の船では下船順は、その後のスケジュール(飛行機の時間など)により決められますが、ヴィクトリはフロアー毎です。グリルクラスの乗船客は最優先です。我々団体客はそれぞれのスケジュールに合わせて下船できました。
ギャングウエイで最後にクルーズカードを通すと、そのままクルーズカードは回収されてしまいました。
クィーンエリザベスUターミナルに接岸 | CALSHOT(タグボート?) |
クィーンエリザベスUターミナルに近いTown Quayからは、ワイト島カウズ行きのフェリーと高速船(Red funnel)が就航しています。 また、対岸のHytheとの間を小型客船(Hythe ferry)が就航しています。
Hytheの桟橋を離れた Hythe Ferry |
サザンプトンの Town Quay |
カウズ(ワイト島)行き フェリー と高速船 |
メイフラワークルーズターミナルの オリアナ |
成田行きの飛行機が夕方発だったので、僅かな時間ですが、ロンドンで観光時間がとれました。
丁度、衛兵の交代時間だったので、バッキンガム宮殿へ行ってきました。
近衛兵による交代儀式 |
バッキンガム宮殿 | 近衛騎馬隊 |