スター・プリンセス
(メキシカン・リビエラクルーズ)(2)
(2003/4/26〜5/3)

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Star Princess in Cabo San Lucas

(1)メインダイニング
(パーソナル・チョイス・ダイニング)

プリンセス・クルーズの提案する新しいコンセプト「パーソナル・チョイス・クルージングは、乗船客一人一人の要望や好みに合ったサービスを目指すものです。その特徴が最もよく表れているのが「パーソナル・チョイス・ダイニング(PERSONAL CHOICE DINING)」です。

スタープリンセスのダイニングルームは、Amalfi、Capri、Portfino の3ケ所で、それぞれ定員約500席です。メガシップで最近はやりの2層/3層吹き抜けの大きなダイニングではなく、落ち着いた感じのダイニングルームです。

オーソドックスなツーシッティングが好みの方は、Amalfiが利用できます。自由な時間に自由な席で食事を採りたい人には、Capri、Portfino の2ケ所が用意されています。Capri(5:30〜9:00)、Portfino (6:00〜10:00)では、営業時間中なら何時でも食事が採れます。しかし、まだまだ従来方式が良いという人が多くAmalfiは乗船時に既に予約で満席でした。

Amalfiに予約している人でも、気分を変えて別のダイニングで食べることも可能です。逆に、Capri、Portfino でも毎日同じ時間に予約を入れれば、同じテーブル、同じウェイターで食事を採ることができます。我々ツアーの一行は、最初の日に、Portfino の同じテーブル、同じ時間でクルーズ期間中の予約を入れたので、結局通常のスタイルの食事になりました。同じテーブル、同じウェイターの食事は落ち着きます。食事中にフィリピンバンドの演奏があり雰囲気を和ませてくれますが、フォーマルデイのベイクドアラスカでも盛り上がらないのは、「パーソナル・チョイス・ダイニング」の影響かもしれません。食事の進むタイミングがバラバラでは致し方ありません。私には、パーソナルチョイスよりオーソドックスなスタイルの食事が合っているようです。

朝食と昼食はPortfinoのみで、自由席です。

Portfino Dining Room

航海中 Galley Tour がありました。広い厨房の中を、熱い食事を出すコーナ、冷たい料理を出すコーナ、飲み物を出すコーナ、大型の自動食器洗器 などが機能的にならんでいました。冷たい料理は予め盛り付け、お皿ごと冷蔵庫で冷やしていました。食事の時にやけに冷たい皿が出てくる理由はここにありました。

チョコレートソースでデコレーションされた
ティータイム用の皿が並ぶ

(2)その他のレストラン

スタープリンセスにはメインダイニングの他に、Sabatini(イタリアンレストラン)とTequila(ステーキハウス)の特別レストランがあり、予約制で食事が採れます。Sabatini(15ドル)、Tequila(8ドル)のカバーチャージが必要です。

Sabatiniではスープとメインディシュのみ注文すると、アンティパスタ、ピザ、パスタは、大皿で持ってきてテーブルで取り分けてくれます。これらを全種類食べてしまうと、メインディシュが食べられなくなるので注意が必要です。元々メキシコ料理のレストランだったTequilaは、現在ステーキハウスに模様替えされています。

Sabatiniの入り口
ステーキハウスTequilaは
メキシコ料理からの模様替え

14階のビュフェスタイルHorizon Courtは、24時間営業で何時でもOKです。深夜お客が少なくなるとオーダー式に変わると聞いていましたが、私が利用している限りではいつもビュフェスタイルでした。24時間営業で利用者の集中の恐れがないためか、料理が並んでいるエリアは他のメガシップよりかなり狭く感じられました。

Horizon Courの欠点はナイフ、フォークがあまり綺麗ではないこと。汚れが付いているというより、汚れの跡が残っているといった感じです。他の客船ではこのような経験は過去に一度もなく、ちょっとガッカリです。自動食器洗器の能力不足でしょうか。ウェイターがナイフ、フォークを一生懸命磨いている姿は過去の物になったのかもしれません。

14階のオープンデッキには、ハンバーガとピザのコーナが昼間オープンしています。有料ですがアイスクリームコーナもあります。また、ルームサービスも24時間無料で利用できます。

残念なことに、ミッドナイトにケーキや果物を綺麗に飾り付けて供するガラビュフェは、もうやらなくなったようです。

(3)カクテルパーティー

私の想像するウエルカムパーティーは、会場の入り口まで長蛇の列を作り、会場の入り口ではキャプテンと握手した後、飲み物を受け取って席につき、パーティーの最後にキャプテンの挨拶を聞いてお開きになる。というものですが、本船では、カクテルパーティーもパーソナル・チョイス式です。カクテルは、何ケ所かのラウンジやバーでサービスされ、乗船客が一ケ所に集まることはありません。キャプテンの挨拶は、船体中央の吹き抜けになったアトリウムで行われます。

また、プリンセスクルーズの名物シャンパンウォーターフォール(シャンパングラスを積み重ねて、上から注いでいく)もアトリウムで行われます。人が一杯で写真撮影も難しい状態です。これだけ多くの乗客数では、このようなイベントをアトリウムで行うにはちょっと無理がありそうです。

アトリウムでのキャプテンの挨拶
シャンパンウォーターフォール
昼間のアトリウム

(4)ドレスコード

7泊8日のドレスコードは、フォーマル2回、スマートカジュアル5回でした。フォーマルデイにタキシードを着ている人は極僅かですが、タキシードを着てもおかしくない雰囲気です。フォーマルデイには船内のあちこちに写真撮影のコーナができ、着飾ったカップルや家族が、しっかりポーズを作って写っていました。一番人気の背景は、映画「タイタニック」に出てくる時計のある階段です。そう2人が食事の後、待ち合わせた階段です。

服装で悩むのが、スマートカジュアルです。インフォーマルに近いのか、カジュアルに近いのか、どっち付かずで困ります。どちらの場合にも対応できるようにすると荷物が増えてしまいます。インフォーマルX日、カジュアルX日としてくれた方が準備が楽です。今回のクルーズでは、結局、スマートカジュアル=カジュアル でした。添乗員さんの話では、クルーズによってはインフォーマルに近い場合も多いとのことで、油断ができません。


(5)夜のショー

スタープリンセスには、船首にプリンセスシアター、中央にエクスプローラーズラウンジ、船尾にはビスタラウンジがあって、夜の催しは同時平行で行われます。私が楽しみにしているプロダクションショーは3種類も演じられ、それぞれ充実した内容で楽しめました。ミュージシャンやバンドも多数乗船していて、その他の小規模なラウンジでも生演奏が楽しめます。スタープリンセスの外観の大きな特徴となっている船尾のスカイラウンジでは、毎夜ディスコが行われていました。

船首のプリンセスシアター
船尾のビスタラウンジ

プロダクションショー「Da Beat」 と「Dance」

航海中にバックステージツアーが開催されました。普段立ち入る事ができない舞台裏や、控え室なども見学できました。多彩な効果を出す照明、衣装の数の多さや、控え室の狭さに驚きました。

赤いライトに照らされた舞台
舞台から見たプリンセスシアターの客席

(6)昼間のイベント

メキシカンクルーズとあって、日中はプールやデッキで開催されるイベントが多くありました。我々のツアーのメンバーも参加した、プールでのゲームは非常に盛り上がり拍手喝采を浴びていました。
外国船のイベントにはシングルの人を対象としたイベントが必ずあり、そこで友人を作ってもらおうと考えられています。スタープリンセスでも数多く開催されていました。日本の客船でも見習うべき習慣だと思います。
最近客船で人気なのが、船上オークション。スタープリンセスでも賑わっていました。

船首のプール
プールの回りにはスパ、ジム、ビューティーパーラー
上のデッキには、一周160mのウォーキングトラックとバスケットコート
船体中央のプール

屋内プール
ビュフェが近いのでプールサイドで食事を採ることもできる

(7)キャビン

今回はインサイドキャビン。船体の幅が広いこともあり、スタープリンセスにはインサイドルームが比較的多い。船が新しいのでキャビンは綺麗で快適です。ウォークインクロゼットはハンガーの数も充分です。船内のプールで使用するタオルはキャビン内に専用の物が容易されています。上陸の際もこのタオルを持って行きます。

デスクの向こう側に同じ幅のウォークインクロゼットがある
右側スタンドの下にあるのがプール用のタオル
クルーズ中に記念日を迎える人のキャビンは、風船で飾り付けられている

各フロアーにはセルフ式の洗濯機と乾燥機があって洗濯が可能です。ツースケースの中で皺がついたシャツにアイロンがかけられるのは有り難い。

(8)チップ

パーソナル・チョイス・ダイニングのシステムでは、ウェイターが毎日変わり、チップを誰に渡すべきなのか、誰からもらうべきなのか混乱してしまいます。そこで、スタープリンセスでは、チップが自動的に支払われます。1日当たり キャビンスチュワードへ3.5ドル、ダイニングスチュワードへ6.5ドルが、船内での買い物や飲み物代と一緒に請求されます。

(9)全体の感想

パーソナル・チョイス・クルージングは世の中の流れで、今後も多くのクルーズ客船で採用されるものと思います。ただし、それと同時に客船の良き習慣が失われてしまうのが残念です。パーソナル・チョイス・クルージングの客船と、伝統的なサービスをする客船 が共存してくれるのが理想的です。


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