第13回クルーズ客船&フェリー研究会
2002年7月13日

船会社、造船会社、旅行会社、利用者がそれぞれの立場から意見を述べられる「第13回クルーズ客船&フェリー研究会」が開催されました。今回は大阪市港湾局が共催した関係から、一般市民も聴講者として参加し、総勢140名の方が参加しました。会場も大阪南港WTCに移されましたが、通常2日間の研究会は今回は1日間に短縮されました。

第13回クルーズ客船&フェリー研究会
主催:大阪府立大学大学院海洋システム分野池田研究室 共催:大阪市港湾局、 船と港編集室
日時:2002年7月13日(土)
場所:大阪南港WTCホール


■7月13日(土)    
10:30〜10:35 ■開会挨拶  
◇クルーズセッション
10:35〜11:05 ■世界に広がる現代的クルーズの現状と将来 大阪府立大学大学院教授
池田良穂
11:05〜11:35 ■世界のクルーズ業界裏話 
 世界クルーズ常識の嘘
雑誌クルーズ元編集長
若勢敏美
11:35〜12:05 ■日本のクルーズ紹介 郵船クルーズ
商船三井客船
日本クルーズ客船
13:00〜13:30 ■プリンセスクルーズについて クルーズバケーション社長
木島栄子
13:30〜14:45 ■ふじ丸からダイヤモンドプリンセスまで
 三菱が建造した現代クルーズ客船
三菱重工業
佐藤功
◇カーフェリーセッション
15:00〜15:30 ■大阪〜釜山間日韓旅客フェリー サンスターライン社長
児玉紘
15:30〜16:00 ■新日本海フェリーの新鋭フェリー「らいらっく」 新日本海フェリー
高岡淳
16:00〜16:30 ■欧州カーフェリー界のニュートレンド
 超大型トレーラーフェリーから超高速カーフェリーまで
大阪府立大学大学院教授
池田良穂
  ◇港湾セッション
16:30〜17:00 ■クルーズと港湾振興 大阪市港湾局
野瀬和宏
17:30〜18:30 ◇船上懇親会 キャプテンクルーズ


講演の一部について概要を紹介します。

◇クルーズセッション

■世界のクルーズ業界裏話 世界クルーズ常識の嘘 
(雑誌クルーズ元編集長 若勢敏美氏)

クルーズの世界では当たり前であった事が変わりつつあり、「常識」ではなくなりつつある。
1.船内の規則がなくなってきた
・フォーマルディーの廃止
・チップ廃止、サービス料の自動加算

2.ALL INCLUSIVEでなくなってきた
「アルコール以外はすべて船賃込み」の方式が崩れてきた。乗船客の多様性に合わせたサービス・選択肢を提供し、各々に応じた料金を徴集する。
・追加料金をとるレストランも多くなった

3.フライ&クルーズに変化
同時多発テロ以降アメリカでの飛行機離れが進行し、特定の港に集中していたクルーズの起点港が、多くの港に分散する(飛行機に乗らなくても最寄り港に行ける)傾向にある。

■プリンセスクルーズについて 
(クルーズバケーション社長 木島栄子氏)

乗船客の多種多様な要求に応えるため、船形を大型にして一隻の船の中に、複数のレストランや多くのパブリックスペースを設置し、イベントを充実してきたが、今後は船ごとに個性を持つ時代になってきた。常時カジュアルで過ごせる船や、反対に子供お断りの船も出て来た。

新造船が就航するたび、プリンセスの船が日本に寄港するたび、プリンセスに乗船する日本人の数が急激に伸びて来た、しかし、絶対数はまだまだ少ない。

■ふじ丸からダイヤモンドプリンセスまで
(三菱重工業 佐藤功氏)

三菱長崎で建造中のダイヤモンドプリンセスは、既存のグランドプリンセスと同じコンセプトの船ではあるが、設計はまったく三菱独自である。内装関係の資材は7割が欧州中心の輸入品で、イタリアに担当の駐在員をおいている。
ダイヤモンドプリンセスは環境にやさしい推進機関を採用
・ディーゼルとガスタービンの複合発電システムおよび電気推進システム(ガスタービンエンジンはファンネルの後ろに設置)
・ジュノー(アラスカ)では、接岸中の電力やスチームを陸上から供給(排煙ゼロ)

**ふなむしの感想**

パーソナル・チョイス・ダイニングやフォーマルディーの廃止など、クルーズのカジュアル化、自由化が進んでいるとの講演が多くありました。ダークスーツやタキシードを着て、乗船客全員が一斉にナイフとフォークを手に取る、客船でしか味わえない光景は無くなってしまうのでしょうか。服装を気にする生活は確かに面倒ではありますが、フォーマルディーやカクテルパーティーなど、非日常的な世界も残しておいてほしいものです。


◇カーフェリーセッション

■欧州カーフェリー界のニュートレンド
超大型トレーラーフェリーから超高速カーフェリーまで
(大阪府立大学大学院教授 池田良穂氏)

欧州連合(EU)発足による船上免税品販売廃止により、免税品目当ての客が減ってバルト海のクルーズフェリーは大打撃を被ると思われたが、クルーズフェリーの旅が欧州の人に定着していて、クルーズフェリーは未だ健在である。
乗客と乗用車を運ぶ超高速フェリーは、欧州の主要航路に行き渡り新造発注が手控えられている。
宿泊施設を持った、トラックも運べる大型の高速カーフェリー(「すずらん」「すいせん」と同じコンセプト)が多く投入され始めた。
電気推進のカーフェリーが登場し始めた。環境重視だけでなく、エンジンルーム設置の自由度増大により車両搭載量が増え経済性もアップした。

**ふなむしの感想**

欧州のフェリー業界の活況と比較すると、日本のフェリー業界や造船業界の明日が心配になってきます。日本製品は優秀という神話がここでも崩壊しているように思います。現在日本の中古フェリーが活躍している地中海でも、近い将来、古臭い日本のフェリーが見向きもされない時代がくるのかも知れません。


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