パナマ運河通峡 |
位置:西経79-53 北緯09-11 天気:曇り(一時雨) 気温:31℃(最高31℃ 最低27℃) |
◆パナマ運河防波堤(7:30)
朝7:30にパイロットが乗船しパナマ運河に入りました。他船との関係で何度か予定が変更になりました。
建設中の橋をくぐると、新旧二つの運河に分かれます。この橋は今年の完成予定が遅れて、来年以降にずれ込むとのこと。まだ名前が付けられていない”名無し橋”です。
今日の北航船(太平洋->大西洋)は20隻、南航船(大西洋->太平洋)は6隻です。飛鳥Ⅱは係船設備の要件不足で旧運河しか通ることができませんが、新運河を通っている船は肉眼でも、AIS情報でも確認できませんでした。
通峡のための作業員が19名乗船してきました。パナマ運河は湿度が高く暑いです。パイロットのためのウィングの日よけは設置が義務付けられています。
ウィングの日よけ
パナマ運河では、マナティやナマケモノも見られるとのことでしたが、結局ワニが一匹見えただけでした。
日向ぼっこしていたワニ
◆ガツンロック(9:00~11:00)
大西洋側のロックはガツンロックです。3段式のロックで大西洋とガツン湖の水位差26mを上昇します。
ロック内へはArrow Signalに従って進入します。ロック入口には牽引用の電気機関車Muleが待機しています。Muleとは”ラバ”を意味しています。
ガツンロックに接近する
緑色のArrow Signal(左上)
番号が付けられたMule(牽引用電気機関車)
ガツンロックには、北航船のタンカー2隻が入っていました。南航船は飛鳥Ⅱの前に川崎汽船のコンテナ船VENICE BRIDGEが通峡しています。
北航船のHELLAS APOLLO
ロック内は、Muleの牽引と本船の推進を併用して進みます。両舷側は2m位の隙間しかありません。
Muleの牽引
北航船との高さの違い
ロックへの注水はポンプを使わず、水の重さだけで注排水させています。その速度は意外に早く、20分足らずで水位調整が完了しました。
水位差の調整が完了すると前扉が開きます。扉が完全に開ききる前に船は進み始めます。
注水開始
水位調整完了、前扉オープン
前扉を過ぎて2番目のロックに入っていきます。
各ロックでは以下の工程で進んでいきます。
①ロック内に進入
②後扉が閉じる
③注水して水位を上げる
④次のロックと水位が一致すると前扉が開く
⑤次のロック内に進入
①ロック内に進入
(前方は2番目のロックの前扉)
2番目のロックの後扉
②後扉を閉じる
③注水して水位を上げる
(後方は2番目のロックの後扉)
④前扉が開く
⑤3番目のロックに進入する
同じ工程の繰り返しで、いよいよ3番目のロックに入りました。北航船は日本の船会社の船が続きました。
11時にようやくガツンロックから出てガツン湖に入りました。
3番目のロックの後扉が閉まる
自動車運搬船SWALLOW ACE(商船三井)
ガツンロックを出る
飛鳥Ⅱがロックを出るのと入れ違いに、日本郵船のNYK DAEDALUSがロックに入っていきました。両船のオフィサーは、同期であったり、同じ船に乗務したことがある関係です。手を振り会い、汽笛を鳴らして互いの安航を祈りました。
ブリッジで手を振りあって安航を祈った
ガツンロックに入るNYK DAEDALUS
ふなむしのページ
飛鳥Ⅱ世界一周クルーズ乗船記