ふなむしのページ
世界一周への道
まとめ編
2019/5/1に新造船に関するプロジェクトチームを結成したとの報道発表があったのでその結果が気になっていたところ、新造客船の造船契約を締結したことが2021/3/31に発表されました。「飛鳥Ⅱの代替船である」との発表は無く、飛鳥Ⅱは2020年春に改装されたばかりである事を考慮すると、飛鳥Ⅱと新造客船の2隻体制も十分考えられます。
造船所はドイツのマイヤー ベルフト(MEYER WERFT)です。飛鳥Ⅱを建造した三菱重工は大型客船建造から撤退したと発表していましたが、飛鳥クルーズの新造客船は「大型ではない」ので、もしかしたら三菱重工で建造するのではないかと期待していましたが、叶いませんでした。
新造客船は2025年就航を予定しています。
■新造客船のコンセプト
飛鳥クルーズのWEBサイトを見ると、THE ASUKA LUXURY の文字が目立ちます。飛鳥Ⅱよりさらに高級感を出すみたいです。アルコール代も船賃込みのオールインクルーシブになるのではないかとの噂もありましたが、WEBサイトにはそれを匂わす説明はありません。
・乗組員数を維持したまま、乗船客数を85%
・レストラン、カフェ、バーの数はあわせて15カ所
・メインダイニングの他にスイート専用ダイニング
「最新鋭のエコシップ」はもう一つのポイントです。硫黄酸化物、窒素酸化物の排出量を削減して環境負荷を低減します。北米の厳しい環境基準にも対応できます。
・LNG燃料(液化天然ガス)、低硫黄燃料、ガスオイル燃料の3種類の燃料に対応
・停泊中は陸上給電が利用できる
・感染対策:100%外気取り込み方式の換気システム、タッチレス対応エレベーター
日本船の特殊性は「お客さんのほとんど全員が日本人である」ですが、これも変わり無いようです。インターナショナル市場への参入は考えていないようです。
■新造客船のスペック
主要目比較 | 新造客船 | 飛鳥Ⅱ | Seven Seas Explorer |
全長 | 228.9m | 240.9m | 223.6m |
全幅 | 29.8m | 29.6m | 31.0m |
喫水 | 6.7m | 7.8m | 7.0m |
総トン数 | 51,960GT | 50,444GT | 55,254GT |
総客室数 | (予定)385室 | 436室 | 377室 |
乗客定員 | 約740名 | 872名 | 750名 |
乗組員数 | 約470名 | 約490名 | 552名 |
乗客定員/乗組員数 | 1.57 | 1.78 | 1.36 |
最高速力 | 20ノット | 21ノット | 20.5ノット |
総トン数は若干大きくなるけど、全長は12m短くなり、喫水は1.1m浅くなります。寄港地の自由度が増えるかもしれません。
乗客定員は飛鳥Ⅱの85%で、客船のグレード評価基準の一つである乗組員1人あたりの乗客数は1.78人→1.57人に向上します。
飛鳥Ⅱは全ての客室が2名定員(D3クラス4部屋は3名利用が可能)ですが、新造客船の客室数と乗客定員から推測すると新造客船には30室のシングルルームが設置されるみたいです。
参考にほぼ同じ大きさでラグジュアリー船として評価の高いSeven Seas Explorerのスペックを併記しました。