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698トン |
「しまなみ海道」開通に伴って、数多くのフェリーや高速船航路が廃止や減便になった。
国内の短距離航路で一番好きだった、三原〜今治の国道フェリーもとうとう廃止になってしまった。
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699トン |
687トン |
三原・今治国道フェリーは、瀬戸内海汽船と昭和海運の共同運航で、
◆瀬戸内海汽船「くるしま」「さぎしま」
◆昭和海運「フェリーいまばり」「フェリーみはら」
の4隻体制1時間間隔で、三原〜今治を所要時間1時間45分で結んでいた。残念ながら「フェリーいまばり」は機関調整のため欠航中で、他の3隻の勇姿のみ見ることができた。
「くるしま」で今治〜三原間を本航路の見納めに乗船した。今治港では「しまなみ海道」開通のイベント準備に忙しく、去りいくフェリーは気にも止めていないようで寂しい感じがした。
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今治港はJRの駅から歩いて15分の所にあり、三原、尾道、広島や芸予の島々へ、高速艇やフェリーが数多く発着している。この賑も5月からは、航路廃止や減便で寂しくなる。
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今治港を出港すると、直ぐに来島海峡にさしかかる。ここは瀬戸内海一の難所。航路が狭い上に潮流が早い。瀬戸内海を東から西へ航行する船は、来島海峡の手前で90度回頭し船首を北に向け海峡を通り過ぎていく。潮流の方向によってどの島の間を抜けていくかが変わり、この海峡では「船は右側通行」は必ずしも成り立たない。海峡の入口では、西行きの船と東行きの船が交差する場合もある。
本航路を抜けていく大型船も大変だが、これを横切る国道フェリーはもっと大変だ。本航路を行く船が連続するとなかなか横切ることができない。他の船と潮流を見ながらコース選択をするので、我々素人が予想もしない方向に船が進んで行くこともある。
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この航路は、島と島の間を航行するので、春の陽に島々の緑が鮮やかである。
大三島橋を過ぎると船は大きく左に回頭する。変化に富んだコースもこの航路が楽しい理由である。
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世界一の斜張橋 多々羅大橋を過ぎると航路が開ける。右に耕三寺の瀬戸田港、左に井口港が、正面には造船所が見える。
この後船は、海岸線を沿って走るJR呉線を左に見ながら三原港に入港した。
私にとって最後となった航海は、いつも通りに息の抜けない中身の濃い航海だった。
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672トン |
(今治〜三原:瀬戸観光ボート) |
「しまなみ海道」開通後も、活躍する航路もある。
今治〜下田水の大島フェリーは、橋より料金が安いことをセールスポイントに従来通りの運航を続ける。
また、届け出だけで運航可能な小型船を使用した三原〜今治間の高速艇の航路も就航した。今後に期待したい。