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ロイヤルウイング(ロイヤルウイング) 全長:86.7m 幅:13.4m 総トン数:2,876トン 建造:1960年2月 |
横浜港でレストラン船と活躍していたロイヤルウイングが2023年5月14日に運航を終了します。ロイヤルウイングは関西汽船・別府航路くれない丸として1960年に建造され今年で建造63年です。
山下公園から |
航路の案内(拡大) |
ロイヤルウイングは通常1日4航海運航されています。
・ランチクルーズ(12:00~13:50)
・ティークルーズ(14:45~16:15)
・ディナークルーズA(17:00~18:50)
・ディナークルーズB(19:30~21:10)
毎週火曜日のランチクルーズに開催される「操舵室・機関室見学プラン」に参加しました。公表されているスケジュールによると、このプランはこの日が最終開催かもしれません。
乗船受付で乗船記念品として「ロイヤルウイング航海日誌」を受取りました。この資料は船内配置や機器類の役割が説明されていて見学時のテキストの役割を持っています。
ロイヤルウイング航海日誌 船内説明資料 |
最初に機関室の見学です。注意事項を聞いた後、ヘルメット、手袋、耳栓を付けて機関室に入ります。残念ながら機関室内は撮影禁止です。
ロイヤルウイングは最近のフェリーと比べると小型なのでデッキの扉を開けるといきなり機関室です。
機関室横のデッキ | デッキから機関室を覗いてみた |
ロイヤルウイングの主機は2サイクルトランクピストン型6気筒ディーゼルエンジンx2基で建造時のエンジンが今も動いています。
ロイヤルウイングに改装の際にバウスラスターを設置したので、その際に発電機を増設しています。他の発電機も換装しています。
エンジンテレグラフ |
主機操作はブリッジからの遠隔操作ではなく、ブリッジからのエンジンテレグラフ指示に従い機関室で2名の機関士・員が手動で操作します。
一通りエンジンルーム内を見学した後、主機ディーゼルエンジンの始動を見学しました。
エンジンの手動は圧縮空気により行います。 ()内はふなむしの推測(インターネットで調べた情報)です。
①最初にエアーが噴射する甲高い音がしました
(エアランニング:シリンダー内に圧縮空気を送ってピストンを動かし、シリンダー内部の水分や残留ガスを排除する)
②機関士・員がバルブを閉めました
(弁を閉めて圧縮空気が漏れない様にする)
③しばらくしてエンジンが始動しました
(燃料の供給を開始し、圧縮空気を送ってピストンを動かして、エンジンを始動)
操舵室から見た船首 |
操舵室 |
フェリーやクルーズ客船の操舵室の見学は何度かありますが、帆船以外でこんな大きな舵輪は見たのは初めてです。
大きな舵輪とエンジンテレグラフ |
操舵室は見学するだけで終了かと思いきや、大さん橋を離岸して離れる様子を操舵室で見学できました。舵輪の操舵やエンジンテレグラフの操作も見られる価値ある見学プランです。
参加者の中からジャンケンで勝った人が出港の汽笛を鳴らすことができました。
大きな舵輪で操舵 |
操舵室の様子を動画で紹介 |
ロイヤルウイング産みの親の吉本日出夫さん(元日本シーライン社長)が見学プランに参加していました。吉本さんは別府航路を引退して係船中だった「くれない丸」を買取り、改修の後横浜港内でレストラン船としてロイヤルウイングを就航させた方です。
吉本さんからロイヤルウイング誕生の逸話を聞くことができました。
・佐世保の造船所に係船中のくれない丸はエンジンルームの床に水が溜まっている状態だった
・改装が完了し佐世保から横浜に回送中に片側のエンジンがオイルを吹き、片肺航海で横浜に着いた
・運航許可が下りず、岸壁にも着岸できず、長い期間船上生活を強いられた
・「ロイヤルウイング」の船名はタイのお気に入りホテルの名前から名付けた
最後に吉本さんからロイヤルウイングの船長、機関長に花束が贈られました。
操舵室・機関室見学プランは中華バイキングのランチがセットになっています。
中華のバイキング |
バルーンアート |
レストランのテーブルをスタッフが回ってその場でバルーンアートを作ってくれます。
レストラン「フリージア」 |
デッキからの横浜港の風景を堪能するためティークルーズにも乗船しました。食事なしの乗船のみのプランを利用しました。
ティークルーズ出港 |
左舷側 | 右舷側ブリッジ入口 |
サンデッキ |
恋人の聖地 |
後部デッキ |
エントランスホール | 左は本船で結婚式を挙げたカップルの銘板 |
乗船記念グッズ |
ティークルーズを動画で紹介 |
大さん橋ターミナル内に飾られたロイヤルウイングの模型 |
ロイヤルウイング写真展 |
ディナークルーズに出港するロイヤルウイングを見送りました。
出港するウエステルダム | 右はマリンリュージュ |
出港風景を動画で紹介 |
ウエステルダム(ホランドアメリカライン) |
ウエステルダム(ホランドアメリカライン) |
セブンシーズエクスプローラー(リージェント・セブンシーズ・クルーズ) |
氷川丸 |
水素燃料船 ハイドロびんご (ツネイシクラフト&ファシリティーズ) |
ローズアルバ(左奥)、ハイドロびんご(右奥) かなもえ(左手前) |
Victorious(米海軍 音響測定艦) |
翌日は東京・赤坂で舞台「ハリー・ポッターと呪いの子」を観ました。