今年も名古屋港ガーデンふ頭のポートビルに船好きの仲間が集まりました。
今年のテーマは、「接岸大賞」。 4月に名古屋テレビ(テレビ朝日系列)で放映されたタモリ倶楽部の「第1回接岸大賞」を見て感激した事がきっかけで、このテーマが決まりました。
番組で紹介された各船の接岸シーンをプロジェクタで映写した後、操船のプロの皆さんに接岸に関わるエピソードを語って頂きました。
客船にっぽん丸元船長
・岸壁が難しい港は、七里長浜港(青森)、能代港(秋田)、宮之浦港(屋久島)等。岸壁が短い港は難しい。
・能代港では、8時入港予定だったが決心が付かず、2時間くらいぐるぐる回った後ようやく接岸できた。
・タグボードの料金は高額なので、何隻用意すべきか悩ましい。費用節約で1隻にしたら、入港時に風が強まって困った。
・船の特性により操船も変わる。重い新さくら丸は後進かけてもなかなか止まらないが軽いにっぽん丸は見込みより手間で止まってしまう。
元パイロット
・海外ではタグボートの調達が簡単でない。自動車船では15m/sの風だと3隻必要。
・航海士の時、河川港で川の流れに流されて岸が迫ってきたので危険回避で投錨したら、その轟音でブリッジからの指示が聞こえなくなった。
・船長としての初めての航海で、入港途中に急に霧が出て危うく他船と衝突しそうになった。工場の煙突からの煙が原因で港の中のそこだけが視界が悪かったことが後でわかった。
・着岸は、慌てず急がず、臆病を徹することが重要
入港時の事故
・船尾で入港準備をしていた船員が落水して後続の船に助けられた。後続の船から連絡があるまで誰も気づかなかった。待機時間ができても決して腰を下ろしてはならない。
・湾内貨物船の接岸時の事故も多い。 舷側と岸壁に手を挟まれた。 舫い綱の間に立っていて足を巻かれ、足を切断した事故もある。
「海の日の集い」に引き続き、今年3月に新装なった名古屋海洋博物館を見学しました。
コンテナ船や自動車運搬船など、現在の名古屋港の主役が紹介されています。
コンテナふ頭の 模型 |
コンテナふ頭の模型は電動で動き、トラックで運ばれて来たコンテナがどのようにコンテナ船に積み込まれるのかの一連の工程が分かります。
ガントリークレーンのシミュレータ | コンテナの模型 |
ガントリークレーンのシミュレータでは、操縦士気分でコンテナの積み込み作業を体験できます。
日本一の自動車輸出港 | 本物の自動車も展示 |
自動車運搬船のコーナでは、本物の自動車も展示して、荷積み状況が分かるようにしています。
私も航海士 |
操船シミュレータは臨場感があり、画面を見ているだけで床が揺れているような感覚になります。 昼間や夜間の時間帯や、晴天や嵐の気象条件など様々な状況を再現できます。途中ですれ違う飛鳥ⅡのCGも精巧です。
私のパソコンにインストールされているVSTEP社製のシップシミュレータと雰囲気が似ています。関わり合いがあるのかもしれません。
浅間丸 | QE2 |
名古屋海洋博物館には幾つかの客船の模型が展示されていますが、浅間丸の模型は日本郵船の所有で長期借用しているとのこと。
映画 「5人のテーブル」は客船ヴィスタフィヨルドを舞台にしていますが、ヴィスタフィヨルドのメインダイニングの入り口に浅間丸型客船の模型が映っています。 また、オードリー・ヘプバーン出演の「麗しのサブリナ」でも社長室に飾られているらしく、なぜか海外の映画でもよく登場する客船(模型)です。
クリスタル・シンフォニー | きそ(先代) |