ナビゲーター・オブ・ザ・シーズ
西カリブ海クルーズ
2005/4/30〜5/7
(1)寄港地の紹介

Navigator of the Seas(Nassau)
in Labadee, Haiti
総トン数:142,000トン
全長:311m、全幅:48m、
旅客定員:3100名 乗組員:1100名
推進方式:ディーゼルエレクトリック ポッド式
就航:2002年

(2)船内の紹介
(3)カリブで出会った船


クルーズのメッカ カリブ海で、14万トンの巨船ナビゲーター・オブ・ザ・シーズに乗船してきましたので紹介します。
ナビゲーター・オブ・ザ・シーズは、14万トン・ボイジャークラス全5隻の4番船として就航した船で、2004年のクィーンメリー2就航までは、世界最大の客船でした。コースは、マイアミを出港後キューバの周りを時計周りに回る西カリブ海クルーズです。

成田からクルーズの出発地マイアミまでは、アトランタでの乗り換え時間を含めて17時間の長時間のフライトです。米国南部はスペイン語の世界。飛行機や空港のアナウンスは、英語とスペイン語で行われます。

アトランタでの米国入国検査は、今年4月から以前にも増して厳しくなり、外国人は指紋の採取と顔写真の撮影が義務付けられています。入国審査に長時間並び、手荷物検査にも並び、ただただ辛抱強く待つしかありません。乗継便の選択の際には、乗り換え時間に余裕を持つ必要があります。航空会社へ預けるスーツケースのチェックも厳しく、何人もの人がスーツケースの中が開けられてチェックされました。中には、衣服がはみ出したままの乱暴な扱いのものまでありました。私のスーツケースも自宅に帰って開けてみると、開封チェックしたことを示す紙が入れられていました。そんな訳でスーツケースにロックが掛けられません。掛かっていると壊してまで開けられてしまうとのこと。



4/30 マイアミ
(MIAMI、USA)

空港近くのホテルに一泊の後、客船ターミナルに向かいます。港はホテル(空港)から車で30分足らずの距離です。空港から港の近くまで高架式の鉄道をありますが、治安の不安があって在住17年の日本人女性ガイドの方は一度も利用したことがないとのこと。
ターミナルには埠頭の根元側にロイヤルカリビアンが2隻、先端側にカーニバルが2隻停泊していました。
ターミナルでチャックインしてシーパスカードを受け取ります。このシーパスカードは、キャビンのルームキー、船内での支払い、身分証明書を兼ねています。次に、船内セキュリティ用の顔写真を撮影します。乗下船時にシーパスカードを機械に通すと、この写真が画面に表示されます。手続きを終え、いよいよ乗船するだけとなりましたが、この朝下船の乗船客がまだ全員降りきっておらず、しばらく待たされた後、出国手続きを経てようやく乗船となりました。

マイアミ港のナビゲーター(右)
ボイジャー(左) 5/7撮影

キャビンはまだ清掃中で入られず、直ぐに11Fのウィンドジャマーカフェでブッフェスタイルの食事をとりました。その後、日本人向けの説明会がありました。
この航海には日本人コーディネータは乗船しておらず、現地の旅行会社の方が出港前に船内生活全般について説明しました。また、一週間分の船内新聞の日本語ダイジェスト版が配布されました。ナビゲーターは毎週同じコースを航海しているので、事前配布の新聞でおおよその予定が分かりますが、あくまで予定のため、毎夜配達される英語版新聞の補足としての価値しかありません。ナビゲーターには他にスペイン、フランス、イタリア、ドイツ、ポルトガル語の新聞があり、これらは英語版と同様に正規の新聞が発行されています。
この説明会では、日本語ショアーエクスカーションの申し込み受付がありました。船側が募集するツアーはすべて英語の説明のため、日本人向けに用意された日本語のツアーです。
16時からマスタードリル(避難訓練)があり、全員救命胴衣を着用してボートの下に集まります。特に人員点呼はなく、英語とスペイン語の説明だけで終了です。

カーニバル・トライアンフが先に出港 ボイジャーの横を通ってナビゲーターも出港

ナビゲーターは出船、ボイジャーは入船で、船首を向け合って停泊していました。手荷物の積み込みに手間取ったのか、17時の予定時刻から30分ほど遅れてナビゲーターの舫が解かれました。4機のバウスラスタと船尾のポッド式推進機の性能を活かして、ナビゲーターは岸壁から平行に移動した後、ボイジャーの横を通ってターミナルを後にしました。既に、カーニバルの2隻は出港済みで、ナビゲーターからの長声3発の汽笛に、岸壁に残ったボイジャーから返答の汽笛がありました。

5/1 大西洋(終日航海日)

右手遠くにキューバ領と思われる島を見ながら、ナビゲーターは東南方向に進みます。
今自宅で、CRUISE COMPASS(船内新聞)を眺めていると、この日は終日航海とあって、デッキで、船内で、ものすごい数のイベントが同時並行で開催されています。これらのイベントに参加するもよし、見物するもよし、でも私は何をしていたのか記憶がありません。それでも一日は進んでいきます。
CRUISE COMPASS(船内新聞)は、子供用が年齢別に用意されていて、そこに書かれている年齢別のイベントも充実しています。

デッキは日光浴やイベントを楽しむ人でいっぱい

普通の場所に飽いたら、こんなポイントも。

ナビゲーターの船首は出入り自由
タイタニックごっごも可能です
飛行機のコックピットのような操舵室
デッキから覗き見できます

5/2 ラバディ
(LABADEE、HAITI)

ラバディはハイチにある町ですが、地図にも載っていない小さな町です。ハイチはかなり治安が悪いらしいのですが、ここはロイヤルカリビアンのプライベートビーチで、乗船客以外はいないので安心です。。
ナビゲーターは沖止めされ、ビーチまではテンダーボートで往復します。ビーチでは昼食のためのビュフェがオープンしますが、食材や飲み物はすべてナビゲーターから運ばれます。
予定より早く1番目のテンダーが出発したのを見て舷門に急ぎ、2番目のテンダーボートに乗り込むことができました。

1隻目のテンダーボートが出発 続いて私も上陸

ラバディでは、ジェットバイク、パラセーリング、カヤックなどに乗ったり(有料)、シュノーケリングをしたりできますが、主流はビーチでの日光欲です。
ビーチマットやシュノーケリングの機材は、シーパスカードの提示で借りられます(有料)、またビュフェでの飲み物の支払もシーパスカードです。 船のシステムがそのままこのビーチに適用された形です。
上陸が早かったので、数箇所あるビーチは独占状態。係りの人に日陰で景色の良い場所までロングチェアーを運んでもらい、のんびり日光浴を始めました。日本人には慣れないチップ、係りに人にチップを渡すのを忘れないでください。色んな場面でチップ用の小額紙幣は欠かせません。
このあたりは珊瑚礁ではないので熱帯魚はいないとのこと。シュノーケリングはあきらめ、ビーチマットを海に浮かべて、波に任せてゆらゆらさせていました。

ナビゲーターを見ながら日光浴

この日は船内のビュフェレストランは休止のため、ビーチでのピクニックランチの時間に合わせて上陸してきた人も多く、独り占めだったビーチもお昼前には多くの人が集まり、私のチェアーもたくさんのチェアーで囲まれてしまいました。

ナビゲーターから見たビーチ 赤い屋根の建物でランチを食べました

テンダーからナビゲーターへの乗り込みにも少々待たされます。 ナビゲーターへの乗船口は1階船首側です。 シーパスカードを機械に通して認証の後、手荷物をX線装置に 掛けます。 私のキャビンは直ぐ上の2階ですが、一旦11階まで登り、プー ルサイドのシャワーでビーチの砂を落とし、フローズンヨーグルト(プールデッキのソフトクリームメーカでセルフサービスで造る)を 食べながら水着の雫を落とした後、キャビンに戻りました。

5/3 オーチョリオス
(OCHO RIOS,JAMAICA)

ジャマイカのリゾート地オーチョリオスには、カーニバルのイマジネーションが先に停泊していました。
ナビゲーターの下船口は1階船尾側です。 私のキャビンからは1層降りるだけですが、1階、2階、3階は船首から船尾までの通路はなく、一旦4階まで登って船尾まで行き、また降りる必要があります。

右はイマジネーション

オーチョリオスに数多くあるアクティビティの中でも有名なのが、ダンズリバーの滝登り。長さ200mの段々状の滝を、ガイドの案内で参加者が一列に手を繋いで登って行きます。
単なる川遊びと甘く考えていましたが、腰まで水に浸かる滝つぼが あったり、すべり台状の段からガイドに突き落とされたりと、水着が必須です。 直前まで、カメラを持って登ろうかどうか迷いましたが、カメ ラを置いていって正解でした。
チップを払ってガイドにカ メラを預けることもできますが、船や現地の写真屋が写真を撮ってくれるので、そ れを購入したほうが安心です。
約1時間で頂上まで登ると、達成感と連帯感が生まれます。

手を繋いで一列になって登ります 急なところでは、前後の人と助け合います

船主催のショアーエクスカーションの多くがこの滝登りをコースに入れています。私は、ナビゲーターが停泊する桟橋から直接ダンズリバーまで往復するクルーザーのツアーに参加しました。このツアーは行き帰りに飲み物のサービスがありました。船を使うツアーは飲み物のサービスが付いている場合が多いようです。そうでない場合は飲み物を持ってツアーに参加する必要があります。ミネラルウォータはナビゲーターの舷門でも販売しています。

ナビゲーターの停泊する桟橋

この夜は、遅くまでデッキパーティー

5/4 ジョージタウン
(GEOGETOWN、GRAND CAYMAN)

ジョージタウンでも、ナビゲーターは沖止めです。先に停泊していたカーニバル・トライアンフの横にナビゲーターは錨を降ろしました。その後、ギャラクシーとノルウェージャンドリームがやってきて、合計4隻が並ぶことになりました。

4隻の客船が並んだ

ジョージタウンではシューノーケーリングを楽しみました。テンダーボートで上陸した後、ツアー用の船に乗り換えました。さて、どこまで連れて行ってくれるのだろうと思っていたら、わずか5分程で船は止まってしまいました。シュノーケリングは、港の中でした。
まず最初に珊瑚礁で色鮮やかな熱帯魚と戯れた後、”沈没船”に場所を移しました、そこはまさに目の前にカーニバル・トライアンフが見える位置です。”沈没船”はエンジンの形状がはっきり分かるくらいの古くない沈没船です。ここにはグラスボートや潜水艇も集まってきてかなり混雑していました。さっきの珊瑚礁に比べて魚が少ないなあと思っていたら、見物客用の餌付けが私の直ぐ前で始まり、魚の大群に囲まれる幸運に恵まれました。

ジョージタウンでは、他に赤エイと一緒に泳いだり、海ガメの養殖場を訪れるツアーも人気がありました。

テンダーボートへはナビゲーターから直接乗り移る テンダーからみたナビゲーター

桟橋は、4隻のクルーズ客船からのテンダーボートとショアーエクスカーションに出かけるボートが発着して大混雑。私は誤って、カーニバルに行くテンダーボートの列に並んでしまいました。

テンダーボートが集まる桟橋 ジョージタウンの町並み

桟橋の向こうにナビゲーターが見える

5/5 コスメル
(COZMEL、MEXICO)

コスメルは、メキシコのユカタン半島の沖に浮かぶリゾート地。ユカタン半島のカンクーンを中心としたメキシカン・カリブは世界的な観光地です。

コスメルの桟橋

私は日本語ツアーに参加し、トゥルム遺跡を見学しました。
トゥルム遺跡へは、ナビゲーターの桟橋から高速船でユカタン半島のプラヤ・デル・カルメンに渡り、そこからバスで約1時間の距離です。

カンクーンの南に位置するプラヤ・デル・カルメンは
リゾート地として発展著しい所です

トゥルムは13世紀から15世紀ごろ、マヤ文明の末期に栄えたといわれています。三方を城壁に囲まれ、残る一方は真っ青な海が広がります。海上貿易の中継地として、メキシコや中南米各地からの船や商品が集まって来たといわれています。


遺跡の全景

ライトブルーの海に浮かぶ風の神殿 遺跡の横で海水浴もできる

このあたりは石灰岩の岩がゴロゴロしており、土が少なく作物が育ちにくい土地です。遺跡内の木陰にはイグアナがたくさんいました。

見た目に比べて おとなしいイグアナ

5/6 メキシコ湾(終日航海日)

アメリカ人はまだまだ元気にデッキに寝そべっていましたが、私はラウンジにいる時間が長くなりました。

ロッククライミングは、ロイヤルカリビアンの名物施設です
広いデッキには、バスケットのコートやパターゴルフコースもあります

5/7 マイアミ
(MIAMI、USA)

ちょっとした嵐に遭遇したのか、14万トンの巨体が明け方まで揺れていました。朝デッキに出てみるとデッキも濡れていました。
朝6時でもまだ暗いマイアミ港に入港です。客船ターミナルの奥で180度の回頭を終える頃、ボイジャーも帰ってきました。

ボイジャーもほぼ同時に接岸

クルーズ中は現地の時間に関係なく、マイアミ時間(サマータイム)が適用されます。日の出7時頃、日の入りは8時頃でした。

私の日課だったウォーキングコース
5周で1マイル
マイアミの夜景が綺麗

(2)船内の紹介
(3)カリブで出会った船


2005年乗船記一覧に戻る