名鉄「2DAYフリーきっぷ」を利用した、三河湾・伊勢湾のクルーズを紹介します。
名鉄「2DAYフリーきっぷ」は毎年冬期に発売され、名鉄グループ8社の鉄道、バス、船舶が2日間乗り放題となるフリーきっぷです。今年から伊勢湾フェリーにも乗船できることになり、船フアンにとってますます使い勝手の良いきっぷになりました。
きっぷの料金は2,800円ですが、今回の乗車、乗船料を計算すると総額13,000円分を超える電車、船に乗ったことになります。
2日間に乗った、電車、船、バス
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A | 新安城〜神宮前〜河和 | 名鉄電車 |
1 | 河和〜日間賀島西港 | イーグル2:名鉄海上観光船 |
2 | 日間賀島西港〜師崎 | 海燕21:名鉄海上観光船 |
3 | 師崎〜篠島 | はまつばき:名鉄海上観光船 |
4 | 篠島〜河和 | 大鴇5:名鉄海上観光船 |
B | 河和〜神宮前〜新安城 | 名鉄電車 |
2月10日(土 | ||
C | 新安城〜西尾〜蒲郡 | 名鉄電車 |
5 | 蒲郡〜日間賀島東港〜日間賀島西港〜篠島 | 大鴇3:名鉄海上観光船 |
6 | 篠島〜日間賀島西港〜師崎 | 大鴇5:名鉄海上観光船 |
7 | 師崎〜鳥羽 | 渥美丸:伊勢湾フェリー |
8 | 鳥羽〜伊良湖 | 鳥羽丸:伊勢湾フェリー |
9 |
伊良湖〜師崎 |
フラワーライン:名鉄海上観光船 |
D | 師崎〜内海 | 知多バス |
E | 内海〜神宮前〜新安城 | 名鉄電車 |
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名鉄河和駅は河和線の終点で、知多半島の東海岸にあります。名古屋からは直通電車が1時間に2本(特急1本、急行1本)あり、全席指定の特急(料金350円)の場合、約40分で到着します。名古屋から内海行きも1時間に2本あり、内海行きを利用した場合は、途中の富貴駅で乗り換えます。
名鉄河和駅前から港までは無料送迎バスがありますが、徒歩でも10分足らずの近さです。
河和港からは、河和〜日間賀島〜篠島〜伊良湖航路の高速船が1時間に1便(日間賀島、篠島止まりを含む)就航しています。夏季期間には佐久島行きの臨時便が出ます。
河和港を出ると海に仕掛けられた網を避け、まっすぐ東にで出から知多半島に沿って南下します。このあたりは、知多半島の付け根にある衣浦港への航路となっているため、時おり大型船が航行します。
日間賀島はタコの島(多幸の島)と言われ、港では大きなタコが歓迎してくれます。また冬場はふぐ料理を目的に訪れる観光客も多く見られます。
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日間賀島には、東港、西港、北港があり、名鉄海上観光船の高速船は東港、西港に発着します。北港には師崎からのフェリーが発着します。
日間賀島周辺の海域には、名鉄海上観光船の他、海上タクシー、民宿専用の渡し船、遊漁船、漁船、小型の貨物船がひしめき、特に西港の防波堤から北の師崎方面を見ていると飽きることがありません。
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(向こうに見えるのは師崎) |
日間賀島がタコの島であるのに対し、篠島は鯛の島と呼ばれています。しかし、両島の距離は極僅かであり漁で捕れるものもほとんど変わらないと思われます。
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(向こうに見えるのは日間賀島) |
師崎から篠島と日間賀島へは高速船は頻繁に出ています。このシーズンはフリーきっぷを利用する人も多く、土曜・日曜には臨時便も多数運行されます。師崎から篠島と日間賀島へは高速船で約10分、篠島と日間賀島間は約5分です。どちらか片方の島に寄港する便や両方の島に寄港する便、日間賀島でも西港に寄港する便や東港に寄港する便、両方に寄港する便など、様々です。篠島と日間賀島間には海面のいたるところに網が入っていて、高速船は網の間の狭い水路を縫うように走ります。
フェリーは、師崎から篠島行きと日間賀島行きが交互に就航しています。就航船は「はまつばき」でドック期間中は「みかわらいん」が就航します。
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大鴇5と大鴇3は客室前面の窓の形が異なる |
蒲郡駅は名鉄蒲郡線の終点です。名古屋方面からは、名古屋本線の新安城から、西尾線、蒲郡線を経て到着します。西尾線、蒲郡線は単線のため、新安城〜蒲郡間の所要時間は1時間余りです。名古屋からだと1時間30分程度です。但し、名古屋からの直通電車がないため、乗り換え時間がさらにかかります。
今回はフリーきっぷのため名鉄を利用しましたが、名古屋から蒲郡へはJRを使用するのが一般的です。名鉄沿線の各駅からでも、名古屋または豊橋まで名鉄に乗って、そこからJRに乗り換える方が早い場合があります。
名鉄・JRの蒲郡駅から蒲郡港までは徒歩で5分の距離です。隣はアメリカズカップのヨット基地でしたが、次回大会への参加を断念し基地も撤退が決まっています。
以前は、蒲郡から鳥羽までの直行便が出ていましたが、伊良湖〜鳥羽間が休航となり、現在蒲郡港を発着する便は篠島行き(伊良湖行きに乗り継ぎが可能)が土曜・日曜のみ就航しているのみとなっています。
(向こうにアメリカズカップの挑戦艇が展示されている) |
今年から「2DAYフリーきっぷ」で伊勢湾フェリーが乗船可能になりました。昨年までも名鉄海上観光船の伊良湖〜鳥羽航路が満席の場合、代替え手段として伊勢湾フェリーに乗船できましたが、今年からは晴れて乗船できることになりました。そこで、師崎〜鳥羽〜伊良湖〜師崎を伊勢湾フェリーと名鉄海上観光船のフェリーを乗り継ぐことにしました。
師崎〜鳥羽〜伊良湖をフェリーで結ぶ航路は、船ファンの間で「伊勢湾トライアングル」と呼ばれ、良く知られた航路です。しかし実際乗船するとなると、運行ダイヤをじっくり見ながら起点港、廻る順序を決めないと所要時間が長くなってしまうので注意が必要です。今回は起点を師崎にし、師崎〜鳥羽〜伊良湖〜師崎の順序で廻りました。待ち時間がなるべく少なくなるように計画を練った結果、所要時間は3時間50分でした。
この航路の車両は、乗用車と観光バスが中心で、特に休日には大型トラックはほとんど見ることはありません。
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伊勢湾フェリーの客室は2層に分かれ(除く伊勢丸)、1階が一般席、2階が特別席になっています。特別室は320円の追加料金で利用できます。特別室は前方の見晴らしが良く、座席もゆったりしているお買得です。
特別室入室券は乗船後、船内の案内所で購入しますが、乗船直後は係りの人が清掃作業で不在のため、入室券は購入できません。伊勢湾フェリーに乗り馴れた人が、案内所前で入室券の販売を待つ姿がしばしば見られます。特別室では、近鉄特急と同じように紙おしぼりが配られます。伊勢湾フェリーは名鉄系列であると同時に、近鉄の系列でもあります。
(伊良湖〜師崎) |
最近の伊勢湾フェリーは、フィンスタビライザーを採用するようになりましたが、名鉄海上観光船のフラワーラインは、上部に動揺減衰タンクを備えています。フラワーラインが走る伊良湖〜師崎航路は、伊勢湾フェリーの伊良湖〜鳥羽航路と比べると風波が穏やかな航路です。フラワーラインの前方にも特別室がありますが、貸し切り専用にしているらしく利用者がいるのを見たことがありません。中途半端は存在です。この航路、フラワーラインがドック中は「みかわらいん」が就航します。
師崎は知多半島の先端にあります。名鉄の河和駅、内海駅から知多バスが走っていて、河和駅からは1時間に1〜2本、内海駅からは1時間に1本の便があります。所用時間は河和駅からは約30分、内海駅からは約40分、海水浴場が多い西海岸を走る内海便は渋滞の心配もあり便利さでは河和便に劣りますが、景色が良く、特に伊勢湾の向こうに沈む夕陽は最高です。
(後ろはフラワーライン) |
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師崎港には高速船、フェリーの他、伊勢湾のパイロット船もで出入りします。隣が漁港になっているので漁船の出入りも多い。また潮流の早い日間賀島との間の水域は格好の漁場となっているので、休日になると遊漁船が多数出ます。高速船に乗船していると、スリリングな場面に出くわすことあります。
フラワーライン |
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鳥羽港は、近鉄/JR鳥羽駅から近い便利な場所にあります。
駅前の乗り場(佐田浜港)からは、鳥羽湾めぐりの観光船や神島、答志島、菅島行きの鳥羽市定期船の客船が発着します。
以前は伊良湖/蒲郡行きの名鉄海上観光船の高速船が就航していましたが、現在は運行を休止しています。
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駅前乗り場の南側の移民船「ぶらじる丸」が係留されていた場所では、大型船が停泊できる岸壁が建設工事中です。
さらに南に進むと、ミキモト真珠島があります。真珠島の横には鳥羽湾めぐりの観光船の乗り場があり、ここでも乗下船ができます。
真珠島の横には鳥羽水族館、さらにその隣に伊勢湾フェリーの乗り場があります。
(左手はミキモト真珠島。真珠取りの実演をする海女さんを運ぶ船が見える) |
伊勢湾フェリーの乗り場からさらに南に進むと、鳥羽市定期船の乗り場(中之郷港)があります。中之郷港は鳥羽市定期船の母港にあたります。鳥羽駅からここまででも徒歩で来られる距離です。
(第25鳥羽丸) (左手奥は伊勢湾フェリーの乗り場 右手のホテルが建っているのは坂手島) |
伊良湖岬は”椰子の実の歌”で知られた観光地です。小説「潮騒」の舞台となった神島との間には伊良湖水道があって、伊勢湾、三河湾に向かう大型船が航行します。伊良湖岬には、灯台、と大型船の航行予定を掲示する信号所があります。伊良湖水道とその周辺海域を航行する船舶の航行を管制するための、海上交通安全センターの建設工事が始まっています。
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伊良湖岬は渥美半島の先端にありますが、渥美半島はメロンや花きの栽培が盛んで、この季節には「菜の花まつり」が開催されます。
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