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準備編

(5) 飛鳥Ⅱ定員の不思議

飛鳥Ⅱについてインターネットで検索していると、2種類の定員が存在していることに気が付きました。1つは「定員872名」、これは飛鳥Ⅱのパンフレットなどに記載されている公式の数値です。もうひとつは「定員720名」、旅行会社の案内などでこの数値を使っているケースが少なからずあります。

なぜ2種類の定員が存在するのか疑問に思い、調べてみました。

■飛鳥Ⅱの現在の定員

飛鳥Ⅱのキャビン数は436室で、D3タイプのキャビンも含め2名/1室とすると定員872名です。飛鳥Ⅱの前身クリスタルハーモニー時代に使われていたデッキ5のキャビン(赤枠)は空白になっていて、使用されていない表記になっています。

飛鳥Ⅱのデッキプラン(現在)

■クリスタルハーモニーの定員

では、クリスタルハーモニー時代のキャビン数は何室だったのでしょうか。 デッキ5には現在使われていない69室(D36室、F14室、G(インサイド)19室)のキャビンががありました。それ以外のデッキは飛鳥Ⅱと同じ436室で総計で505室です。クリスタルハーモニーにはシングルのキャビンは存在しないので、1室2名とすると定員1010名となります。しかし、クリスタルハーモニーのパンフレットに記載されている定員は960名で、50名少ない定員表記になっています。

クリスタルハーモニーの姉妹船クリスタルシンフォニーは、キャビン数480室、定員960名で単純明快です。何故クリスタルハーモニーは少ない定員が表記されていたのでしょうか?  

クリスタルハーモニーのデッキプランからメインダイニングの座席数をひとつひとつ塗りつぶして数えてみると490席でした。ツーシッティングでは980席分になります。この座席数では1010名は賄えず、定員960名相当の座席数になっています。(※クリスタルハーモニーではスイート船客もメインダイニングを利用していました)

クリスタルハーモニー就航時のパンフレットに、”5万トンクラスのクルーズシップでは、考えられないほど少ない乗客定員(960名)"の表記があります。”最高級”のイメージを造るため1000名を超えた定員表記にしたくなかったのかもしれません。

クリスタルハーモニーのデッキ5
レセプションの船首側に
69室のキャビンがあった

■クリスタルハーモニーから飛鳥Ⅱへ

クリスタルハーモニーを改装して飛鳥Ⅱとして就航する時に、デッキ5のキャビンのうち一部は使用されなくなりましたが、36室だけはJステートとして販売されています。そうすると、飛鳥Ⅱ就航時のキャビン数は472室(現在436室+Jステート36室)となり、定員944名となります。ますます「定員720名」から離れてしまいました。

飛鳥Ⅱ就航時のデッキ5
レセプションの船首側に
36室のJステートキャビンがあった

飛鳥Ⅱ就航時の情報についてさらに検索してみると、日本郵船のプレスリリース(2005年3月31日)に注目すべき情報をみつけました。このプレスリリースは、”クリスタルハーモニーを飛鳥Ⅱとして日本の市場に投入することを決定した”という発表記事です。この中で先代飛鳥の定員を592名、クリスタルハーモニーの定員を720名と表記しています。通常のプレスリリースでは「定員」は単に船の要目の一つでしかありませんが、このプレスリリースは、”飛鳥が満船状態のため、大型のクリスタルハーモニーにリプレースする”という内容のため、クリスタルハーモニーの定員は重要な項目になるハズです。しかしクリスタルハーモニーの「定員960名」を240名も下回った数値を発表したことになります。

飛鳥Ⅱ就航時、”初代飛鳥の2倍近い定員について集客と乗組員の確保の両面で難しさがある”(wikipedia)と判断したようで、日本郵船は”初代飛鳥のリプレース船の定員は750名程度を前提とした”(wikipedia)との状況から、飛鳥Ⅱとしての定員をどうするかの方針が未定のまま、クリスタルハーモニーの定員960名をそのまま記載することは避け、「クリスタルハーモニーの定員720名」のプレスリリースに繋がったのかもしれません。

■飛鳥ⅡのJステート

デッキ5のJステート36室は、”2008年秋から一般販売をしていないが、内部者には格安で販売している”(wikipedia)とのこと。

話は変わりますが、ある外国船の日本発着クルーズに乗船した時、元船長2名(日本の方です)が乗船して船内で講演されました。大学教授の肩書きもあるレジェンド的な存在の船長に割り当てられたキャビンはインサイドで2名1室でした。
飛鳥ⅡのJステートのような予備室は、ゲストの講演者やエンターテイナーに相応の居室を提供するには重宝かもしれません。

またまた話が変わりますが、日本の長距離フェリーでは、急病人の発生への備えとして一般客室(個室)を空室のまま確保している船もあるらしい。

■まとめ

最初の疑問 "2種類の定員” については、飛鳥Ⅱ就航時のプレスリリースの「定員720名」がそのまま修正されることなく使われているのがその原因、と私なりに結論付けました。但し、今後新たな情報を見つけたら、修正していきたいと思います。


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準備編 (5) 飛鳥Ⅱの定員