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ふなむしのひとりごと(2019)


■南極クルーズ説明会(10/11)

大阪で南極クルーズの説明会があったので、説明を聞いてきました。ポナンのロストラルのクルーズで、クルーズプラネットと阪急交通社が共同でチャーターします。出発は2021年2月で1年半も先のことです。

L'AUSTRAL(PONANT Cruise)

●南極クルーズとは
南極クルーズは南半球の夏の12月~3月頃に運航され、そのほとんどは南極への距離が短いアルゼンチンのウシュアイアから出航し、南極半島に上陸する。ウシュアイアからは2日間の航海で南極に到着する。途中、ドレーク海峡は大揺れになる場合がある(ポナンの船は揺れ難いとのこと)。南極には5日くらい滞在し、帰路を含めて9~10日間のクルーズが多い。

南極クルーズは近年人気が高まっていて2018~2019のシーズンには約45,000人が乗船し、2019~2020のシーズンには50,000人を超えると予想されている。南極クルーズが可能な新造船の計画が30隻ほどあり、今後も南極クルーズ乗船者は増えると予想されている。

南極クルーズが急速に発展したきっかけの一つは「ソ連の崩壊」である。ソ連の崩壊で余剰となった多数の北極海用砕氷船・耐氷船を使って、アメリカの旅行社が南極クルーズを始めた。当初は観測船や改造船が主だったが、近年はポナンなど南極クルーズ用に建造されたクルーズ船が就航するようになった。

上陸地点や水路などのポイントは、複数の船のスケジュールが重ならないように事前予約制になっている。当初予定のポイントが天候、海象により行けない場合や上陸できない場合、代替プランを実行する。今後南極クルーズの就航船が増えると、予約が制限されたり、代替プランが作れないなどの恐れがある。

かつての観測基地を改造した売店で、お土産の購入と郵便の投函が可能である。乗船客がこの売店を利用するためには、売店の職員のために本船のシャワーを提供することが条件になっている。

2月出発のクルーズは、氷が後退していて陸地に近づきやすいのでプランの選択肢が広くなる。南極半島の東側のウェッデル海に行けるチャンスがある。成長して活発に動くペンギンの赤ちゃんが見られるのはメリットだが、ペンギンは子育て期間中は同じ場所に留まるので、2月には糞尿が溜まって悪臭を放っている場合がある。

夜も明るいので、南極クルーズではオーロラは見られない。

日本からの参加は寒暖差が大きいので体調の管理が重要。日本(冬)~ブエノスアイレス(真夏)~ウシュアイア(春)~南極(日本の真冬)
但し、南極の訪問先は-5℃~+5℃なので、真冬の北海道よりは暖かい。

●ポナンの南極クルーズ
南極は海図が十分整備されておらず、自船で測定した水深や氷の情報を基に運航している。ポナンは4隻のクルーズ船を南極に配船し相互に情報を共有して、観光に最適で安全な航海を実現している。ポナンの船は錨を下ろさずに一定場所に留まっていることが可能なため、停泊場所の自由度が大きい。精度の高い情報と船の性能の高さにより、ポナンの船は陸地に近い場所まで行ける。本船でどこまで陸地に近づけるかは、ゾディアック(ゴムボート)での移動時間の長短に関わるので、スケジュール全般への影響が大きい。

その日のスケジュールとして複数のプランを用意し、天候、海象、氷の状態で最適なプランを選択している。南極では一度に上陸できる人数が100人に制限されているので、南極クルーズの定員は2シフトで賄えるように200人に抑えている。一方のグループが上陸している場合、他方のグループはゾディアックによるクルーズを行う様な運用をしている。

ポナンの船は船尾に大きなプラットフォームを備えているのでゾディアックへの乗降が容易。ゾディアックの乗船時間は、上陸の場合5~10分、クルーズの場合は1時間程度。

陸地での上陸時間は90分~120分。体力に合わせた行動が選択できる。トイレの利用はゾディアックで本船に戻るしかない。本船へ戻るのは容易であるが、再上陸の可否はその時の状況で異なる。

●ポナンの船
ブリッジを開放している。ブリッジは必要以上に大きなサイズにして、乗船客の訪問に配慮している。

ダンサー、バンド、ピアニストが乗船してエンターテイメントを提供している。カジノはない。ランドリーサービスはある。セルフランドリーはないので、下着類はキャビンで「エルメスの石鹸」で洗うしかない。

フランス船籍なのでフランスの法律に従った仕様になっていて、キャビン内のシャワーとトイレは別室になっている。

ポナン社は、建造、所有、運航まで一貫して自社で行っている。船長の条件は、フランス国籍であること、ポナン社の株主であること。

環境問題への対応を重視しており、排気ガスのSOx削減は1年前倒しで対応済み。

チャタークルーズでは日本語のメニューを用意するが、日本食の提供はない、フレンチを楽しんでほしい。

毎日夕食前にレクチャー会を開催し、今日の振り返りと、明日の説明を行う。チャータークルーズでは、日本語での説明、または日本語での通訳(専門家による)を行う。


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