ぱしふぃっくびいなす
足摺・四万十川クルーズ
1999年4月17日〜4月19日

宿毛港に接岸中の 
ぱしいっく びいなす
日本クルーズ客船
26,518トン

近年、名古屋港を起点とするクルーズが数多く実施されるようになり、東海地区の人達もクルーズに参加できやすい環境になってきた。その背景には東海地区のクルーズ人口の増加があり、今回もゴールデンウィーク前にも拘わらず約330名の乗船客が集まった。(翌週のふじ丸小豆島クルーズにも400名以上集まった。)
今回のクルーズは土日を含んだ2泊3日で、料金は2名で1室利用の場合1人6万円(最低料金)であった。日本のクルーズ客船の中では割安な料金設定で、サラリーマンにとっても参加しやすい日程であったため、高齢者が目立つ最近のクルーズには珍しく比較的乗客の年齢層が若かった。

船内新聞(PDF)

名古屋港ガーデン埠頭
出港風景

** 日程 **

入港 出港
名古屋 4/17(土)12:00
宿 毛 4/18(日)07:30 4/18(日)18:00
名古屋 4/19(月)15:00

ボートドリル(避難訓練)

久しぶりに救命胴衣を着用した訓練を体験した。2泊3日程度では船内で着用方法だけ説明しそれ以上のことは省略されることが多いが、本船では実際に救命胴衣を着用し、自分の乗る救命ボートに集合した。但し、点呼は実施しなかった。
今回のクルーズでは帰路悪天候に見舞われれたので、揺れるキャビンの中でこの救命胴衣を握り締めていた人がいたかもしれない。

メニュー(PDF)

当初夕食の席は自由席の予定だったが、乗船客の数が330名とワンシッテイングで実施可能なぎりぎりの数で、座席を探し回るような混乱を避けるためワンシッテイングの指定席制に変えたとのことだ。
乗船時に割り当てられたテーブルでは同行者がバラバラになってしまうため変更を申し出たら、早速対応してもらた。日本の客船では指定席制が少ないので、私にとっては久しぶりの指定席での夕食になった。指定席はその日の状況や気分に合わせて座席や食事相手を選べられない不便さがあるものの、ゆっくりレストランに行っても自分の席が確保されている余裕のようなものがあり、悪くもないという印象を受けた。
ただ、指定席に変わってしまったので、知人の誕生日を一緒にお祝いすることができなくなり残念だった。夕食は1日目が洋食、2日目が和食だった。

夜食は、麺類やおにぎりの和食、スープやサンドイッチなどの洋食の他、デザートや果物もあり品数が多い。日本の客船の夜食の中では、もっとも評価が高いのではないだろうか。

ティータイムには、飲み物の他にケーキ類もサービスされる。飲み物はコーヒ、紅茶の他にジュース類も選ぶことができる。

最終日の昼食には、熱々の器に入ったハッシュドビーフとサフランライスがだされた。船酔いの人のためにおかゆも用意されていた。

強風雨の中、宿毛に入港

宿毛港では当初の予定では沖止め、通船を利用して上陸の予定だったが、観光関係者や港湾関係者の努力で岸壁に入港することができた。まだ竣工前の岸壁に応急措置をして本船の入港に対応したようだ。船尾側はまだ工事中で、岸壁にコンクリートブロックが並べてその上にビットがくっついてた。ビットの位置が本船にとって適当でなかったためか、何度も船を前後に動かしやっと最終係留位置が決まった。埠頭内の道路は雨でぬかるみ状態だった。
宿毛港に停泊中も風と波で船体が揺れていた。もし通船を利用していたら、上陸できなかったかもしれない。停泊中も岸壁の反対側からダグボートが船体を押し続けて揺れを抑えていた。

まだ未完成の岸壁

オプショナルツアーの目玉は、足摺岬と四万十川下りであったが、強風で川下りは中止となり、乗客のなかにはかなりの不満がでていたらしい。私は悪天候とあきらめ無料の送迎バスで町まで行っただけで、後はずっと船内で過ごした。

港に停泊中のティータイムの際にもピアノの生演奏が行われ、船内に残る人のためにある程度のサービスを確保していた。もちろん昼食も用意されていた。

宿毛観光汽船 ニューあしずり
999トン
宿毛観光汽船 しまんと
1,446トン

宿毛市営 おきのしま
90トン

宿毛からの定期便は、佐伯(大分)までのフェリー便と宿毛の沖にある沖の島への客船便がある。

(1)宿毛観光汽船 フェリー
宿毛〜佐伯(大分県):1日7便

(2)宿毛市営 客船
宿毛〜沖の島:1日2便

揺れの中でも平気?

宿毛出港後、夕食の終わりごろから揺れが激しくなった。立て揺れと複雑な揺れの組み合わせだったが、横揺れはほとんど抑えられていた。船首が波にぶつかった時には、船体が破れるのではないかと思うほど大きな音がした後、ブルブルと船体がふるえていた。

夜が更ける程揺れが激しくなったが、揺れのはげしい船首に近いラウンジでダンスを踊っている人もいれば、揺れの少ないレセプションルームに布団敷いて一夜を過ごしたした人もいたようだ。往診依頼もかなりあり、船医は当夜一睡もできなかったようだ。
船上では平気だった私も、家に帰ると身体が揺れていた。このような感覚は久しぶりだった。

ガラスが割れた
プールデッキ
天井のパネルが落ちた
オブザベーションラウンジ

翌日、ファンネルにあるトップラウンジに行くと、船首が波に突っ込んで波飛沫が豪快に飛び散る光景を目にすることができた。

ビンゴの終わりは
乗組員勢ぞろいのフィナーレ

本クルーズは天候に恵まれず、多くの船客は良い印象を持って下船しなかったかもしれない。しかし全般的に納得できるサービスレベルで料金的にも満足できる内容だった。
次は、天気の良い日に乗って見たい。


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