四日市港 遊覧船 いなば2
1999年4月4日

船名:いなば2
建造:1997年
運航:四日市ポートサービス
総トン数:104トン
全長:23.2メートル
全幅:7.6メートル
最大速力:26ノット
定員:120名(1時間未満)

四日市港の遊覧船は全国の港を巡る遊覧船のなかでも最も知名度が低い船の一つではないだろうか、週4便の運航でJR時刻表にも載っていない。しかしこの航路に就航している「いなば2」は、全国ニュースのトップで紹介された有名な船である。ロシアのエリツィン大統領と当時の橋本首相が首脳会談の途中に釣りをした船である。1998年4月19日、伊東市城ヶ崎海岸沖でのことだった。四日市からはるばる伊東まで派遣されたのは、”後部デッキから釣りができる高速挺”ということで白羽の矢が立ったと聞いている。船内にはその時のスナップ写真やエリツィン大統領が使用した釣竿が飾られている。

エリツィン大統領と橋本首相
が座ったシート

遊覧船の乗り場は、通船や海上保安庁、警察、パイロットボートなどの様々な小型船が係留されている船だまりの一角にある。通船の運航を行っている四日市ポートサービスが遊覧船も運航している。

遊覧船乗り場

定員120名に対して約20名の乗客を乗せて出港した。客室は1階席と2階席に分かれ、1階席は会議やパーティー等の用途により座席のレイアウトが変えられるようになっている。2階席の前方は大きなガラス窓で操舵室と仕切がしてあるので、前方の風景や船長の操縦操作をつぶさに見ることができる。また客室には、模擬の舵輪やスロットレバー、コンパス、GPS装置があり、速度や方位のほか、船が港のどの位置を航行しているかが簡単に分かるようになっている。

1階客室
2階客室前方
(青い機械がGPS)

乗り場を出港するとゆっくり狭い水路を進み旧港を見学する。江戸から明治にかけての港である。「いなば2」の名前は、この頃地震で傷んだ港を私財を投じて復興させた人の名前に由来している。船は内航自動車運搬船用岸壁、石油コンビナートと進んでいく。石油コンビナートの桟橋には石油製品を運搬する小型タンカーが数多く見られる。
ここから船は一旦防波堤の外に出て、四日市港を左手に見ながら北上する、船足は一気に25ノットを越え時間を稼ぐ。右手にはシーバースや伊勢湾灯標が見える。
四日市港の北端まで来た後、再び防波堤内に入り速度を落とす。ここは石炭貯蔵場とコンテナー埠頭が並んでいる。船内アナウンスによれば、日本に輸入される石炭の多くはこの貯蔵場を経由して全国に送られるとのことだ。このあたりが”これからの四日市港”で造成工事が今も行われている。

コンテナ埠頭
石炭揚陸場

この後船は、発電所、石油コンビナートと通って帰路に付く、途中全天候ドームの施設がある緑地公園近くに立ちよる。そこにはヨットハーバがあり、水上スキーを楽しんでいる人達がいた。四日市港のまた別の一面である。

発電所の大きな煙突とLNG船桟橋

この遊覧船のコースは変化に富んでいて非常に面白い、ただ今回は日曜日だったので大型船の姿は見えず残念だったが、平日なら間近に各種の船が見え、生き生きとした港の姿が見えることだろう。「いなば2」も遊覧船として充分な設備を持ち満足できるものであった。

*運航スケジュール*
(セラヴィ観光汽船に引き継がれた後、2008以降運航中止)

サンライトクルーズ

サンセットクルーズ

ナイトクルーズ

運航期間

3/1〜11/30

7/20〜8/31

7/20〜8/31

運航日

火・木・土・日・祝

日・祝・8/14〜16

日・祝・8/14〜16

出港時刻

14:00頃

18:00頃

19:30頃

料   金:大人1000円、小人500円
所   要:55分

*乗り場までの道順(四日駅から路線バス有)


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