おりえんとびいなす
ウラジオストッククルーズ
(神戸〜ウラジオストック〜敦賀)
1996年 9月22日〜9月26日

おりえんとびいなす 日本クルーズ客船
1990年建造 21,906総トン
全長174.0メートル 全幅24.0メートル

ちらし

*日程

9/22 12:30 神戸出港
23 02:00 関門海峡通過
24 10:30 ウラジオストック(ロシア)入港
25 13:00 ウラジオストック出港
26 15:00 敦賀入港

クルーズのしおり

*乗客
乗船客は402人で60才以上のリタイヤ組が多く見られました。主催が日通旅行名古屋支店であるため名古屋を中心とした東海地区の船客が半数以上を占めています。名古屋発の参加者に対しては名古屋〜神戸、敦賀〜名古屋の送迎バス(有料)が用意され、煩わしい乗り換えや電車の遅れを心配する必要がありませんでした。

船内新聞

*神戸出港
この日は、台風の影響で、新幹線を始めとするJRに遅れや運転停止が発生して、出港時刻になってもまだ乗船していない人がいるとのこと。この船客を残したまま25分遅れで「とも、おもてレコ」の号令がかかりました。 本船が離岸後に遅れて来た人が到着した場合に備えて、岸壁にタグボートを待機させる手配をしましたが、それも無駄となりました。

神戸港のおりえんとびいなす 出港風景

*食事
食事はワンシッテイングでした。400人が一度に食事をとるとメインダイニングも狭く感じられます。テーブルとテーブルの間隔も狭くサービスが大変そうです。スィートルームなど上級のキャビンの人達は別室のダイニングサロンで食事をとります。年配の船客が多いせいかクルーズ中の食事は和食が中心となりました。4回の夕食の内、洋食1回、和食2回で、最終日は立食のフェアウエルパーティーを兼ねた食事です。ドレスコードは最初と最後の夜がインフォーマルでその他の日はカジュアルでした。
昼食も和食と洋食が交互に出ます。食事はおおむね船客に好評でしたが私にとっては洋食にちょっと物足りなさを感じました。夜食も毎晩用意されます。麺類やぞうすい、サンドイッチとスープがありなかなかおいしい夜食でした。ただ、遅く行くと品切れがあったのは問題です。

メニュー

*シェフ
本船のシェフは夕食の際、レストランの出口で食事を終えた客を見送ってくれます。船のレストランでは初めて経験です。シェフが講師をする料理教室が航海中2回(ロシア料理、パスタ料理)開催されました。シェフの話しが非常に面白く2回とも参加しました。後で乗組員に聞くと、シェフは調理師学校で講師の経験があるとのこと。

瀬戸大橋付近で
ほわいとさんぽう2とすれ違う

*イベント
昼間のイベントは、ヨーガ、ダンス、押し花等、名古屋のカルチャーセンターをそのまま船内に持ち込んだ形になっていました。しかし、全て船内でのイベントばかりで、せっかくの好天にもかかわらずデッキで行うイベントが一つもなっかったのが残念です。また、簡単なロシア語講座があればウラジオストックに上陸した時に挨拶程度ができて乗船客に喜ばれたと思うのに、これもありませんでした。
夜のイベントとして演歌ショー、ダンスタイム、カラオケ、カジノなどが行われました。演歌ショーの主役は、高校を卒業したばかりのピチピチのギャルです。若いけれど実力派で聞き応えがありました。しかし、3日間ほぼ同じ内容のショーというのはいかがなものでしょうか? 実力がある歌手なので、一日位は雰囲気を変えて演歌以外を歌ってくれるだけでも雰囲気が変わって楽しめたかもしれません。あるいはピアノラウンジでジャズでも歌えば面白かったかも。ウラジオストック入港中の夜は、歌を中心としたロシアの民族舞踊団のショーで船客もダンスに参加して盛り上がりました。

民族舞踊団のショー

*ウラジオストック
客船ターミナルの直ぐ横はシベリア鉄道の駅になっています。我々はビザ免除で上陸しました。旅行会社に申し込む際にはビザが必要とのことで申請書や証明写真を用意しましたが、最終的には免除になりました。24日はバスでの観光、25日は自由行動になりました。25日の自由行動は最初から予定されていたスケジュールでしたが、ロシア側が急に難色を示し、これを実現するため乗組員の人はかなり苦労したとのことです。自由行動のためには地図があると便利なのですが、用意してくれていませんでした。きめ細かい配慮をしてほしいものです。

ウラジオストック港のフェリーと小型客船 ウラジオストック入港

展望台から見たウラジオストック港

ウラジオストックは、坂が多い典型的な港町です。観光地としてはほとんど見るべき場所はありませんが、古い煉瓦造りや、石造りの建物の横を路面電車が通る姿はなかなか絵になります。私は、4年前にもロシアのフェリー「ルーシ」でウラジオストックを訪れましたが、その時と比べると街を行く女性の服装がきれいになり、デパートの商品も豊富になっています。鉄道の駅は改装が終わって奇麗になっていましたし、船客ターミナルも改装中です。しかし、初めてウラジオストックを訪れた人は日本との差を感じたようです。特に唯一陸で食べた昼食の印象が悪かったようで、必ずしもウラジオストックから良い思い出を持ち帰った人ばかりではないようです。

ウラジオストックの街並み

改装中の船客ターミナル アントニーナ・ネジダノバ(右)と岸壁に並ぶ

*敦賀入港
入港前に舞鶴行の「フェリーらべんだあ」が本船の後方を横切っていきました。敦賀のターミナルは以前新日本海フェリーが使用していた埠頭です。入国審査、税関の検査は本船のホール内に臨時の検査場を設けて行われたため長い行列を作ることもなく、待ち時間をラウンジ等で過ごすことができました。上陸後、JR敦賀駅までは連絡バスが用意されています。私は、先に紹介した連絡バスで名古屋まで戻りました。

*まとめ
台風でどうなることかと思ったクルーズでしたが、上陸中ににわか雨に降られただけで天候に恵まれ、秋の日本海クルーズを十分満喫することができました。
日本クルーズ客船では、「ニューゆうとぴあ」をリプレースしてレジャークルーズ用の客船2隻体制にする計画を発表しています。新しい船は1998年に就航予定で石川島播磨重工で建造されます。「おりえんと びいなす」より少し大きくなります。
「ニューゆうとぴあ」は船令25年以上の古い船ですが、機関長の話しでは、機関の状態等は非常に良好でまだまだ十分に使えることなので、海外で第三の人生を歩むこととなるでしょう。「ニューゆうとぴあ」は10数年前に1度だけ乗船したことがありますが、海外に売船される前にもう一度乗ってみたい船です。


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