ふなむしのページ

神戸港を散歩した
(2022/3/17)

神戸港新港第三突堤から

コロナ禍で神戸港を訪ねる機会が大幅に減ってしまいました。気候が良くなったので運動不足解消を兼ねて散歩してきました。

私が少年の頃は外国客船が着岸する新港第四突堤へは三宮からフラワーロードを歩いて行きました。最近は自家用車で訪ねる事が多くなりフラワーロードを歩くのは久しぶりです。

三宮駅の南に神戸市役所があります。2号館の解体がほぼ完了していました。2号館は昭和32年建造の8階建ての建物でしたが、阪神淡路大震災で6階部分が大きな損傷を受け、上層階を撤去して5階建ての建物として利用していました。

高層ビルは1号館
その手前に2号館が建っていた

市役所の北にあった花時計は東遊園地の南端の国道沿いに移転しています。昭和時代には、ここからフラワーロードを挟んで東向いに最上階に回転展望レストランを備えたニューポートホテルがありました。
阪神・阪急の高速神戸駅~新開地駅の地下街の壁には昔の神戸の街並みが描かれています。三宮駅から南側を望む絵にはニューポートホテルも描かれています。

こうべ花時計 地下街の壁に描かれた三宮の街並み
遠くにニューポートホテルが見える

この日は珍しく第四突堤O2岸壁に「ぱしふぃっくびいなす」が停泊していました。「ぱしふぃっくびいなす」はしばらく運休していましたが3月19日から運航を再開します。今回は停泊期間(3/14~3/19)が長かったのでO2岸壁に着岸したのかもしれません。
3月26日に「ぱしふぃっくびいなす」が再びO2岸壁に着岸します。その時Q1には「飛鳥Ⅱ」が着岸していて出港1時間前です。僅か1時間ですが第四突堤に2隻の客船が同時着岸することになります。(※電気関係機器の不具合の為、飛鳥Ⅱのクルーズが中止になりました)

ぱしふぃっくびいなす みやざきエキスプレス

第三突堤には「みやざきエキスプレス」が停泊していたのでツーショットが見られました。「みやざきエキスプレス」を運航する宮崎カーフェリーは新造船2隻を建造中で、「みやざきエキスプレス」は4月14日神戸発宮崎行の便を最後に新造船「フェリーたかちほ」にその役を引き継ぎます。

ぱしふぃっくびいなす(左)
みやざきエキスプレス(右)

第四突堤には、西側にO1、O2、P岸壁、東側にQ1、Q2、R岸壁があります。客船が主に着岸するのは立派な送迎デッキがある東側のQ1岸壁です。大型の客船はQ1だけでは長さが足りないのでQ2岸壁も同時に使用します。
O1岸壁は上海行の日中国際フェリーの「新鑑真」と「蘇州號」の定期便が発着しています。先日、新鑑真の代替船建造のニュースがありました。

他で客船が使うのは中突堤NAKA-BCとポートアイランドPI-UVです。ポートアイランドPI-UVはポートアイランドの西側の岸壁でかつてコンテナーターミナルとして使用されていた岸壁ですが、現在は岸壁のすぐ横に大学のキャンパスがあります。客船の寄港が重なった場合にPI-UVを使う様です。

現在、神戸港は第一突堤から第三突堤の間をウォーターフロントとして再開発して観光施設などの建設を進めています。今後O岸壁への客船着岸が増えるかもしれません。O岸壁に着岸すると華やいだ神戸港からの出港風景が見られそうです。但し、第四突堤は東側の方が水深が深く、回頭スペースも広いので、大型船はQ岸壁の方が良さそうです。

海図を見ると第四突堤の東側は「1972年に水深12mに浚渫した」と注釈があります。その頃、初代「クイーンエリザベス」が香港の船会社に売却され「シーワイズユニバーシティ」と船名を変えて洋上大学船として運航する計画があり、神戸港への入港も予定されていました。残念ながら香港で改装工事中の1972年1月に火災が発生し、その後沈没してしまいました。神戸港の浚渫作業は、「クイーンエリザベス」の入港準備のためと思います。

第三突堤と第四突堤の間
埋め立て工事がほぼ完了

第三突堤と第四突堤の間の海面の一部を埋め立てていましたが、ほぼ完了したみたいです。コロナ前は大型クルーズ客船の寄港が多くあり、インバウンド客を運ぶ観光バスの駐車スペースが不足していたので、駐車スペース拡大の為に埋め立て工事が計画されました。この埋め立て工事により第四突堤の岸壁が短くなりP岸壁は消滅したのかもしれません。

第三突堤の基部には2017年に「神戸ポートオアシス」が完成しました。「神戸港周辺で働く人や、港を訪れる人のための福利厚生施設」で、400席の多目的スペースや会議室を備えていて、コンサートや講演会、教室などに利用できます。一階には飲食店があってパーティーの開催もできます。

神戸ポートオアシス

第一突堤基部では、「新たな魅力と活力ある都心・ウォーターフロントの創出」に向けて、多くの施設の建築計画が進んでいて順次開業しています。
その中で観光の目玉となるのは神戸ポートミュージアムです。水族館とフードホールを備えた新感覚の都市型水族館で2021年10月に開業しました。

神戸ポートミュージアム

Stage Felissimoは通販大手フェリシモの事業所で、約400名を収容できる「フェリシモ ホール」やチョコレートやカカオの可能性を体験でき「フェリシモ チョコレート ミュージアム」などが併設されています。

GLION Awa-s Buildingは輸入車及び国産車の正規ディーラー事業を主とした企業であるGLIONグループのビルで、1階~3階は海外自動車ブランドのショールームになっています。

その他マンションなどの建設工事があちこちで行われています。

神戸ポートミュージアム(左) Stage Felissimo(正面) GLION Awa-s Building(左)

第二突堤には1万人超規模のアリーナを建設し、第一突堤と第二突堤の水面にはマリーナや水上レストランを造る計画もあります。

一方、かつての神戸港の姿をイメージできる倉庫の幾つかががまだ残っています。これらの倉庫は今後どうなるのでしょうか。学生時代には倉庫の中でアルバイト作業をしたこともありました。食料品のチェック作業です。果物はカビや腐っている物を取り除き、所定の数に詰め直して再梱包しました。ワインには光りを当てて濁りをチェックし、缶詰は蓋を叩いてその音から不良品をはじき出しました。チェック作業は本職の人が担当し、アルバイターの私は開梱、梱包するだけの単純作業です。

この辺りの倉庫の前を通ると香辛料の匂いが香ってきましたが、倉庫が無くなった後にはどんな匂いになるのでしょうか。

ポートタワー

ポートタワーは全体が白い壁で覆われています。開業60周年となる2023年夏頃にリニューアルオープンの予定です。
もう春休みになった学校もあるのでしょうか、平日でしたがメリケンパークやハーバーランドはそこそこ賑わっていました。

中突堤かもめりあ

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