日本クルーズ&フェリー学会
講演会(2015)
(2015/11/21)

於:大阪府立大学

日本クルーズ&フェリー学会
設立総会 2010年10月9日
2011新年会 2011年1月29日〜30日
2011講演会 2011年11月12日
新日本海フェリー乗り比べ 2012年7月14日〜16日
2012講演会 2012年11月17日
2013新年会 2013年2月9日〜11日
2013講演会2013年10月26日
2014講演会2014年11月22日
2015新年会2015年2月6日〜8日

クルーズ客船&フェリー研究会
第14回 2010年2月27日
第13回 2002年7月13日
第12回 2000年11月18日〜19日


日本クルーズ&フェリー学会の総会と講演会が開催され80名を超える参加者がありました。 総会では大阪大学の梅田さんが日本クルーズ&フェリー学会の新会長に就任したことが報告されました。

発表資料は日本クルーズ&フェリー学会のサイトで公開されています。

講演内容(要約)
講演会Part1
世界のクルーズとフェリーのマーケットトレンド

池田 良穂
(大阪府立大学
21世紀科学研究機構)
(1)クルーズマーケット
・クルーズ市場におけるアジアの占める割合が6.6%(2014年)->9.0%(2015年)に上昇の見込み。客単価はアジアが一番高い
・クルーズ船の数は大型化により減少している。436隻(2010年)->372隻(2014年)
・クルーズ客船を建造する造船所はフィンカンテリとマイヤーの2社の寡占状態になりつつある
(2)フェリーマーケット
・欧州ではフェリーマーケットが復調の兆しがある
・欧州では環境対応フェリー(LNG船など)への対応が進む
・但しギリシャのフェリー会社は依然として赤字が続く
国内クルーズ観光参加要因と消費者属性

田口順等
(沖縄国際大学) 
荒木 長照
(大阪府立大学)
・日本のクルーズ人口の停滞をアンケート調査でクルーズに乗らない理由を調べることから分析した
 「長い期間が必要」「旅行代金が高い」が上位の理由だった
・クルーズ未経験者のクルーズへの参加意向・関心は、国内・海外の旅行経験が多い人ほど高かった
福岡港におけるクルーズ振興事業の現状と課題

高橋 誠
(福岡市港湾局
港湾振興部クルーズ課) 
・歓迎されていたクルーズ客船の寄港が悪者扱いされるようになってきた。市内の大渋滞が一番の問題
 無料の施設訪問や中国系量販店のみでの買い物で、地元は十分な経済効果を感じていない
・乗組員をターゲットにした対応も必要:港に隣接した相撲見物は乗組員に大好評。昼間の無料Wifi利用者は乗組員中心
・今後の対策:寄港地ツアーのルール化。市内駐車場の活用。周辺地域に広げた寄港地ツアーの多様化
講演会Part2
小型船の海上交通における技術課題

神原 潤
(ツネイシクラフト
&ファシリティーズ)
・瀬戸大橋開通後瀬戸内海の旅客船は大幅減。1987年:174航路461隻→120航路255隻
・19トン以下小型船は増加。高速船は増加しているが31ノット以上の超高速船は減少
・新しい電気推進船の建造:航続距離を延ばし、速度を上げる必要あり
マグロの皮膚に学ぶ低燃費船底塗料

山盛 直樹
(日本ペイントマリン) 
・1970年代に自己研磨型船底防汚塗料が出現した。しかし海洋環境への影響が顕在化し、1990年以降は環境に優しい自己研磨型塗料が普及した
・マグロやカジキなどの大型魚類の表面の物質からヒントを得た低摩擦塗料を2007年に市場投入し10%程度の低燃費効果を上げている
新造船フェリーおおさかU概要説明

山本 哲也
(名門大洋フェリー ) 
・新造船のテーマ 旅客:客室の充実、女性客を重視、バリアフリー 環境:ハイブリッド型推進方式、MALS、アジマススラスターによる低燃費化
 物流:ドライバーズルームの個室化、二口荷役による荷役時間の短縮
・チケットレスチェックインの採用→窓口での手続き不要
・乗用車デッキを案内所と同じフロアーに設置→船内移動の短縮
・女性社員の意見を反映した設備と内装
講演会Part3
「フェリーおおさかU/きたきゅうしゅうU」の全貌〜最新鋭カーフェリー就航までの軌跡〜

森 哲也
(三菱重工業)
・特徴@大型化 A低燃費、操船性の向上 B荷役の効率化:トラック、トレーラの二層同時荷役、3時間で荷役可能 C女性デザイナーの採用
・アジマススラスターは推進と旋回に利用。門司の水深7.5mでプロペラ大きくできず、プロペラ1個では推進力不足
 通常は遊転させ、必要最小限で推進用に使用。 メインテナンスを考慮し国産採用。 ポッド式は船尾ゲートで設置スペース不足
・MALSは抵抗減と振動低減の効果あり。 ・エレベータ2機は、最下層から最上層まで貫く
・船社と造船所で全52回の技術打ち合わせ実施
顧客創造。(一点突破と全面展開)

竹井 洋
(フェリーさんふらわあ )
・フェリーさんふらわあ設立時には両社で20億円の赤字。 何故赤字、何が悪いを追及
・船旅の再構築:移動する時間、移動する空間を売る(雑魚寝、汚いフェリーのイメージを払拭)、適切な運賃の設定
・ペットと一緒に泊まれる客室(消席率は一般客室の10%UP、観光シーズンは真っ先に埋まる)
・船員意識の改善:経営トップが現場で声かけ、甲板部/機関部も含めた外部教育の受講
・アンケート結果で改善を実感→どうやって告知するか→弾丸フェリー、旅客に絞った昼便の運航→リピート客の増大期待
・鹿児島航路の刷新:新造船建造計画、大阪南港乗り場をATCへ移転
「日韓定期フェリーにおける成長エンジンとは?」−何に活路を見出すか?

野瀬 和宏
(サンスターライン)
・旅客:日本人客に如何に乗船してもらえるかが課題。如何に知ってもらうか、売ってもらうか、乗船してもらえるか
・貨物:フェリーの強みを活かす。定時制、荷役に優しい、通関時間が短い、様々な貨物が運べる
東京湾に浴衣の華が咲く・東京湾納涼船

柳場 厚
(東海汽船)
・納涼船は1950(昭和25)7月運航開始。13年連続で乗船客増加。2015年は14万5千人、37%が浴衣着用
・若者がターゲット(乗船者の8割が20〜30歳台)。船上という非日常感、リーズナブルな料金、飽きさせないイベント
・浜松町周辺の飲食店とタイアップしてPR。インターネット、SNSで情報配信
・運航期間を延長してハロウィンイベント開催。浴衣のレンタル、船内販売実施
小笠原諸島の魅力と新造船船

石川 龍治
(小笠原開運)
・世界自然遺産登録後観光客増 24000人/年→32000人/年。小笠原航路は年間60〜70航海。観光客の現地滞在3泊を想定した運航スケジュール
・新造船建造計画(2016年7月就航):父島停泊可能な最大船型、航海時間24H(1.5H短縮)、旅客定員900名(130名増)
・船首垂直ステムと高効率プロペラの採用で燃費は現行船なみ(高速化、大型化で本来なら45%燃費悪化)

講演会Part4

ロイヤルカリビアンインターナショナルのアジア展開

加藤 享
(ミキ・ツーリスト)
・北米以外のマーケット比重増大:2007年3割、2014年3.4割、目標5割。
・2016年はアジアに5隻配船(オベーション、クァンタム、ボイジャー、マリナー、レジェンド)
・2014年RCI実績 乗船客数:全世界(360万人)、アジア(50万人)、中国(25万人)、平均泊単価:全世界(136ドル)、アジア(142ドル)、中国(175ドル)
・日本発着クルーズ乗船客は5年間で42000人、2015年は9000人
にっぽん丸のクルーズの楽しみ方

鈴木 則之
(商船三井客船)
・小型船の特徴を活かす:豊富な寄港地、高い航行自由度、楽な乗下船、顔が見えるサービス
乗船客の多様化と当社の取り組みについて

平野 雅稔
(日本クルーズ客船)
・観光だけでなく、体験するクルーズを(阿波踊り体験、グラバー園ガーデンパーティ)
・より魅力あるクルーズを(ウラジオストクで国立オペラ観劇、シベリア鉄道乗車)
・出会いと感動(同郷の集い、ふれんどしっぷナイト)