中部国際空港航路 2007
2007/1/20


昨年末(2006年)に松阪と空港を結ぶ新航路が開設されたり、一方伊勢湾フェリーの常滑航路の廃止が発表されるなど、変化の激しい中部国際空港の海上アクセスに乗船してきました。

今回は、船と鉄道を乗継ぎ、3つの航路に乗船しました。

セントレアに接岸中の
シーワープ(四日市航路)(左)
出航する
フェニックス(津航路)(右)

7時20分発の松阪行きに乗船すべく早起きしてセントレアに着くと、セントレアと各地を結ぶ高速船が続々と入港してきます。各航路の第1便がほぼ同じ時間帯にセントレアを発着します。

一番乗りは津航路のフェニックス、私が桟橋に到着した時には既に桟橋に泊っていました。四日市航路のシーワープは、停泊時間僅か10分で四日市に帰って行きました。入れ替わりに、松阪航路のすずかぜが入港してきました。短時間に3航路すべての船を見ることができます。

セントレアの桟橋は1隻分の長さしかないので、同時に接岸するのは2隻が限度で、3隻そろい踏みは難しそうです。

すすかぜ(松阪航路)

松阪からの第1便の乗客数はちょっと少なめ。この日は土曜日ですが、早朝の便の利用者はこの程度でしょうか。

セントレアの船客待合所は、各航路で別々の建物です。空港開港時に津航路が就航した時には、待合所は公共の建物と思っていましたが、その後四日市航路の待合所がちょっと離れて建ち、待合所が各社所有であることが分かりました。今回、松阪航路の待合所は、既存の2航路の間に建ちました。

各社別々の待合所は、”もったいない”。 船客にとってもけっして便利なものではありません。 計画時になんとかならなかったのでしょうか。お互いにライバル同士なので、調整の余地はなかったかもしれません。

ちなみに、現在運行休止中の常滑〜セントレア航路は、待合所は無く、運賃は船内で支払っていました。

3航路で別々の船客待合所
左から 津航路、松阪航路、四日市航路



1.すずかぜ
(松阪高速船:セントレア〜松阪)

この時間帯にセントレアから乗り込む人は稀なのかもしれません。すすかぜの乗船客は僅か2名、貸切状態です。

すずかぜ(松阪高速船)

新造船の匂いがする すすずかぜの船内は、間接照明が柔らかい今風のインテリアです。

通路はゆったりしていて、座り心地が良いシートは背もたれが薄型なので、足元のスペース増大にも貢献しています。


すずかぜの船内

客室内には、どの座席からでもTV画面が見えるように、液晶のTVが多数配置されています。

松阪行きだったからでしょうか、観光案内が放映されていました。松阪牛のおいしそうなお肉が出てきたのは、いかにもといった感じです。
この航路の乗船客のほとんどは地元の方のような気がしますが、松阪(およびその近辺)への観光目的でを利用する人はどのくらいの割合なのでしょうか。


客室前方のソファー席 スーツケース置き場

客室の壁に、柳原良平さんのリトグラフが掛かっていました。ひょっとして、常石製の船には漏れなく良平さんの絵が付いてくる?

造船所の銘板 柳原良平さんのリトグラフ

セントレアの桟橋を離れる直ぐに加速していきます。心地よいエンジン音です。航海速度は、時速58km〜59kmでした。(GPSでの測定)

松阪入港の少し前に。右手にユニバーサル造船所(元日本鋼管)が見えました。海から見ると、松阪市と津市は意外に近いと感じました。


松阪港のすずかぜ

ちょと小振りの予備船 まつかぜ

松阪港には530台の無料駐車場がありますが、かなり余裕がある利用状況でした。

松阪港から松阪駅(近鉄、JR)まで連絡バス(松阪市がコミュニティバスとして運行)を利用しました。連絡バスは、船の発着時刻に合わせて運行されていて、所要12分、運賃は100円です。

松阪港の旅客ターミナル



2.知多丸
(伊勢湾フェリー:鳥羽〜常滑)

松阪から鳥羽までは、近鉄電車で40分くらいの距離です。伊勢湾フェリーの乗り場は、近鉄中ノ郷駅が最寄の駅ですが、市営定期船や観光船を見ながら、鳥羽駅から海沿いに歩くのが一番です。

鳥羽駅から水族館(フェリー乗り場)までの遊歩道

2005年2月の中部国際空港開港に合わせて、それまで知多半島先端の師崎〜鳥羽を結んでいた航路を常滑〜鳥羽に変更し、同時に新造船2隻を投入しましたが、利用客が伸び悩み、おまけに燃料費高騰もあって、2007年3月に常滑〜鳥羽を廃止することを決定しました。


今日はお休み 三河丸 伊良湖からの 鳥羽丸

常滑〜鳥羽航路の知多丸

常滑から到着した知多丸から出た来た車は乗用車20台。 知多丸に乗り込んだ車は、乗用車7台、バス2台。バス1台は空港まで行くリムジンバスですが、利用客は無かったようです。


知多丸の特別室

320円の追加料金で特別室を利用しましたが、他に利用客は無く、占有でした。


出航後、真珠島の前で回頭

鳥羽を出航後、東に向かう伊良湖への航路と分かれて、常滑航路はそのまま北上します。その後、大きく左に舵をとって小さな島をかわします。この辺りは、好い漁場と見えて釣り船が沢山います。釣り船の切れ目を探して、短声1発で舵を北に戻し、速度を上げます。


正面は浮島(鳥羽市)、大きく左に舵を切る

セントレアの手前で すずかぜ と出会う

空港周辺は航路の制限が厳しいのか、直線コースで港に向かうことはできません。飛行機の着陸コースと平行して空港に針路をとったあと、大きく右に舵を切って、着陸コースを直角に横切ります。

空港手前で大きく右に舵をきる 常滑港の桟橋

伊勢湾フェリーのために造ったような常滑港の岸壁と旅客ターミナルは今後どうなるのでしょうか? わずか2年間のためにどれだけの税金が使われたことでしょう。

常滑港の知多丸


3.フェニックス
(津エアポートライン:セントレア〜津)

毎時0分発の運行ですが13時発だけ運行はありません。この日はカトレアがドック中なので、フェニックスと代船のアザレアが就航しています。
私は14時発の便に乗船しました。乗船客は約60人でした。

津から到着したフェニックス

すずかぜ程ではありませんが、就航後2年の船体はまだまだ新しい。

船内のインフォメーションには女性乗組員が詰めていて、スナック(お菓子?)の販売もしていました。航海時間が短いのでコスト的には無くてもよいサービスかもしれませんが、サービス向上の一環でしょうか。


フェニックスの船内

海が穏やかだったこともあり、揺れもなく快適な航海でした。速力は時速55km〜56kmくらいで、すずかぜより若干遅い。

津なぎさまち

津なぎさまちのターミナルは、施設は旅客船ターミナルと賑わい施設「ベイシスカ」で構成され立派な施設です。

空港アクセス港に必須の無料駐車場は690台のキャパシティ。

旅客ターミナル

津駅までは、船の入出港時刻に合わせてバスが運行されている。運賃200円、所要10分。


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