いしかり乗船記
(2003/10/10〜10/13)

体育の日の連休を利用して、太平洋フェリー「いしかり」に乗船しました。

往き 名古屋 仙台 苫小牧
10/10 20:00 10/11 17:00〜20:00 10/12 10:45
帰り 苫小牧 仙台  
10/12 19:00 10/13 9:20  

【予約】
往き、帰りともに1等2人部屋をシングルユースしました。インターネットで予約をし、港の窓口でクレジットカードと乗船名簿を提示するだけで手続き、支払いが済むので非常に便利です。乗船名簿の記入も省略できるともっと便利になると思います。インターネット予約の場合は10%割引です。他に朝食付きのパック料金やJAFの割引などあり、どの方法を選択しようか迷いましたが、重複割引が効かなく料金はほぼ同じくらいなので、何時でも予約できて便利なインターネット予約を利用しました。

【連絡バス】
名古屋港金城フェリー埠頭までは、地下鉄築地口から路線バスに乗る方法と、名古屋駅から連絡バスを使用する方法があります。今回は名古屋駅からの連絡バスを利用しました。18時30分発のバスは道路の渋滞もあり予定より遅れましたが、まさか連絡バスの乗客を置いてけぼりをしないだろう。という安心感があります。連絡バスの乗客数は約10名でした。

【名古屋港】
乗船手続き後、建物の2階に上り、長い通路通って舷門に辿りつき、さらに船内の階段を登ります。大きな荷物を持っているとけっこう大変な道程です。昨今、フェリーのバリアフリー化が話題に上っていますが、バリアフリーは乗下船の時点から考慮してもらいたいものです。健常者にとっても楽になるはずです。船会社と埠頭を管理する公社の連携により、より便利な乗り場が実現することを期待します。

入船で接岸していた船体に後進を掛けた後、方向転換して、名港西大橋の下を通ります。この日は風もなくタグボートを使用しません。デッキのスピーカからは船長の挨拶が聞こえ、外海に出ると揺れがあるとのこと。丁度飛島コンテナ埠頭からも、外国船籍の小型コンテナ船が離岸中で、コンテナ船付きのタグボートと進路の調整を行います。結局コンテナ船を先に行かせましたが、パイロットが乗船しない外国船相手の進路調整は大変です。大型船の入出航はなく東航路からの出航です。高潮防波堤を過ぎて徐々に速度を増し、先のコンテナ船を一気に抜き去ります。

エントランスホール
スターライトラウンジの入り口

【伊勢湾】
出航風景を楽しんだ後、スターライトラウンジでは、ピアノとヴァイオリンの演奏がありました。毎夜イベントがあるのが太平洋フェリーの特徴です。ラウンジ内では飲み物の販売もしていてクルーズ気分が味わえる時間です。パーサーは「テーブルの上が寂しくないですか?」と言っていましたが、ショーの始まるもっと前からラウンジを開放すれば、飲み物の売り上げもアップするものと思います。
ショーが終わると船は師崎沖に差し掛かりました。快調に航海していた「いしかり」は、速度を急激に落とし伊良湖水道を通過します。右手には神島灯台、左手には伊良湖岬灯台の灯りが見えます。伊良湖水道通過後、北上する船をかわして進路を東に変えました。

【太平洋】
日付が変わる頃から揺れが激しくなりました。真正面からの強い波で、ブリッジ下の私のキャビンには、波が船体を叩く大きな音と激しいピッチングが襲います。左舷側の窓の外を通過する波は、「しぶき」とは程遠い物です。

1等2名室。他よりちょっと広めの角部屋。

【朝食】
夜が明けてもまだ揺れが残っていました。太平洋フェリーのレストランは全食バイキングです。軽く済ませたい人のために、ヨットクラブで軽食も食べられます。朝食1100円、昼食900円、夕食1800円は、値段だけを見ると一見高そうですが、食事の内容から判断するとリーゾナブルな価格です。私は、11日の朝食から13日の朝食まで、6食をこのレストランで採りました。レストランは、昨夜の揺れのわりには多くの人が来ていました。しかし、明らかに気分が優れなさそうな人もいました。きっとレストランに来る気にもならない人が多数いたことでしょう。

【キャプテンズトーク】
12日午後には、スターライトラウンジでキャプテンズトークありました。聞き手はヴァイオリニストの塀和(はが)さんです。今航の岡田キャプテンはかなり話上手なキャプテンです。新造船の紹介を中心に語っていただきました。実は昨日が新造船の船名公募の締切日で、社内公募だったとの紹介がありました。もうすぐ新船名を紹介できるとのことです。他に、仙台入港時の見所の紹介があり、これは後で役に立ちました。

岡田キャプテンのキャプテンズトーク

以前は、この後ブリッジ見学へとイベントが続いていましたが、アメリカ同時テロ後ブリッジ見学は休止中です。ブリッジからの「きたかみ接近」の連絡でキャプテンズトークは終了となり、乗船客はデッキに出て「きたかみ」を迎えます。この頃、「いしかり」は昨夜の波を後ろから受けて、ほとんど揺れがありませんでした。逆に「きたかみ」は波を真正面から受ける形になり、大きくピッチングしています。すれ違う直前、「いしかり」が舵を左に切って、両船は最接近しました。互いに長声一発。

「いしかり」が舵を左に切る

大波が「きたかみ」の船首を襲う

「きたかみ」のデッキの人がはっきり見える

40ノット超のすれ違い

【仙台】
キャプテンズトークで説明のあった伊達正宗の兜の形をした灯台と数多くのオットセイ(実はサーファー)を左に見ながら仙台港に入港しました。昨夜の遅れを取り戻せず、若干の延着です。
仙台港では清掃要員が乗船してきて、パブリックスペースの船内清掃と仙台で降りた乗客の船室ではベットメーキングが始まります。出港時刻までに終えなければならないので大忙しです。清掃が終わると、仙台からの船客が乗船してきました。その中には、北海道に修学旅行?に向かう仙台の男子高校生の一団が含まれていました。

仙台入港

【夕食】
「あの高校生達は乗船前に夕食を終えているかもしれない。」との期待を裏切り、高校生の食事が先に始まりました。半数の高校生は、今食べている一団と入れ替わりに食べるらしい。一般の乗客もレストランに入って行くので、高校生と一緒の食事になるのは確実です。
レストランに入ると、左舷側に高校生、右舷側に一般乗船客を案内して分離していましたが、同じ料理を争奪するのに変わりありません。高校生の食欲は凄まじい。皿には山盛りのステーキ、両方のポケットにはデザートのアイスクリームを詰め込んで持って行きます。果たして私の食べ物は残っているのであろうか。
幸いにも、バイキング方式の料理が並んだテーブルには、十分な量の料理が用意されていました。高校生と一般乗客により消費されて空になった皿と入れ替わりに、新しい食材が乗った皿が次から次にギャレーから運び込まれています。これだけ多くの食事を供給するフェリーが他にあるでしょうか。こんな光景からも、「いしかり」の実力が見えてきます。

レストランへの広い通路
左の和室も客室として使用中

【夜のショー】
夜のショーは昨夜と同じく、小川長太郎さんのピアノと塀和貴子さんのヴァイオリンの演奏です。小川さんは名古屋を中心に活動しているジャズピアニストで、塀和さんはフリーのヴァイオリニストとして各地のオーケストラの加わって演奏しています。塀和さんは月1回程度、名古屋〜苫小牧を往復しているそうです。誰にでも馴染みのある曲が中心ですが、今夜はクラシックの有名曲のメドレーもありました。ショーの後半には、塀和さんのオリジナル曲が演奏されます。昨夜は「ミスいしかり」、今夜は「きたかみ慕情」。両人とも歌唱についてはプロではありませんが、この曲だけは歌唱付きです。「きそ」の引退前に「きそXXX」も披露してほしいものです。

スターライトラウンジでの演奏

【苫小牧】
苫小牧西港のフェリー埠頭は、先日の地震後火災があった石油タンクのすぐ対岸にあります。この近さでは、火災でやむなく欠航したのも頷けます。

苫小牧手前ですれ違った
八戸行きの「べが」

苫小牧港の「いしかり」

苫小牧港からは苫小牧駅までの市営バスと、札幌駅までの高速バスの便があります。私は高速バスを利用て札幌まで行きました。高速バスは通常苫小牧駅と札幌駅を結んでいる便が苫小牧港まで延長運転しているので、必ずしもフェリーの発着時刻に合ってダイヤにはなっていません。「いしかり」の入港時刻から1時間以上待たされてバスが出発しました。札幌までの高速道路沿いは紅葉が始まっていました。札幌でラーメンを食べて、お土産を買うと、もう帰りのバスの時刻です。苫小牧行きのバスは札幌駅でほぼ満席となり、途中のターミナルから1台増発されました。この高速バスは苫小牧市内では路線バスの役割を持っていて、多くの停留所に止まるのが玉に瑕です。
苫小牧港に着いた時には、既に多くの乗客は乗船済みのようでしたが、それでも窓口には多くの人が並んでいました。2等以外は予約で満席とのこと。

八戸行きの「シルバークィーン」

【仙台】
未明から雨が降り出し、仙台は雨の入港となりました。仙台では多くの乗客が下船します。台湾からと思われる外国人の一行もいました。平日は多賀城駅までのバスもありますが、休日は仙台駅行きのバスのみが運行されます。私は仙台駅行きのバスに乗車し、途中の停留所でJR仙石線に乗り換え、松島に向かいました。

【まとめ】
日本の長距離フェリーの多くが「トラックを運ぶついでに乗客も乗せてあげる。」と感じられる状態の中で、「いしかり」は客船としての十分な設備とサービスを兼ね備えたフェリーです。10年以上経っても、古さはまったく感じません。夜のショーの開催をはじめ、レストラン、売店、スタンドの営業時間も長く、乗船客に寛げる時間を提供しています。その「いしかり」も2年後には、長年守ってきたフェリー・オブ・ザ・イヤーの座を新造船に譲ることでしょう。太平洋フェリーの新造船がどんな船になるのか今から楽しみです。


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