スーパースター・トーラス釜山クルーズ

2000年3月24日〜27日
スーパースター・トーラス(パナマ)
総トン数:25,000トン
全長:159m 全幅:25m
建造:1980年

シンガポールを中心に、安価なクルーズを提供しているスタークルーズが日本の海にも本格的に乗り出してきました。早速神戸発3泊4日のクルーズを体験してきましたので、その様子を紹介します。
神戸・釜山クルーズに就航したスーパースタートーラスは、1980年カーフェリー「バイキングサガ」として建造され、その後クルーズ客船「サリーアルバトロス」に改造されましたが、1990年ドックで修理中火災が発生しました。1992年火災にあった船体を再利用して新たな客船として生まれ変わりました。その後、昨年までNCLの「リーワード」としてカリブ海クルーズにチャーターされ、さらに昨年末から3年契約でスタークルーズにチャーターされ「スーパースタートーラス」と改名されました。資料などに記載されている建造年は、フェリーとして建造された1980年とするものと、新しく生まれ変わった1992年とするものが存在します。


1.コースと料金

Aコース:3泊4日(3月10日〜6月23日)毎週金曜日発
曜日
入港
出港
神戸
---
20:00
博多
16:00
23:59
釜山
07:00
15:00
神戸
14:00
---
Bコース:4泊5日(3月13日〜6月26日)毎週月曜日発
曜日
入港
出港
神戸
---
22:00
博多
17:00
23:59
釜山
09:00
20:00
別府
10:00
18:00
神戸
09:00
---

料金:A、Bコース共通(1室2人利用の場合の1人の料金、全食事付き)
客室のタイプ
3月〜4月
出発
G/W
出発
5月〜6月
出発
IL:インサイドステート
(デッキ3・4)

30,000円

48,000円

38,000円

IU:インサイドステート
(デッキ5・6・7)

35,000円

53,000円

43,000円

OP:アウトサイドステート
(デッキ2・5・6)

40,000円

58,000円

48,000円

OL:アウトサイドステート
(デッキ3・4)

45,000円

63,000円

53,000円

OU:アウトサイドステート
(デッキ5・6・7)

50,000円

68,000円

58,000円

JS:ジュニアスイート
(デッキ6)

60,000円

78,000円

68,000円

ES:エグゼクティブスイート
(デッキ6・7)

70,000円

88,000円

78,000円

1室3人以上で利用する場合の
3人目、4人目の料金

20,000円

28,000円

20,000円


今回私が乗船したのは金曜日の夜神戸を出港し月曜日の午後神戸に帰るAコースのクルーズで、関西の人にとっては月曜日に1日だけ休暇をとれば参加できる日程です。関西以外の人でも金曜日と月曜日の2日の休暇で乗船できます。料金はインサイド30,000円から、最上級のエグゼクティブスイートでも70,000円で、日本のクルーズ客船と比較すると破格の料金です。私のキャビンはインサインドをシングルユースし、割増料金(50%UP)込みで45,000円でした。


2.乗船

神戸の乗り場は神戸港ポートターミナル(新港第4突堤)で、トーラスは西側のO(オー)岸壁から発着します。神戸の中心地三ノ宮からはポートライナーで簡単に行けますが、ポートターミナルの駅には下り用のエスカレータやエレベータがなく、大きなバックを抱えて急な階段を降りるのに苦労しました。


乗船受け付けはポートターミナル内のスタークルーズの専用デスクで行われます。その後出入国検査に行きますが、神戸からの乗船客は次港の博多までは国内航路扱いなので、船のスタッフが出入国カードをチェックし、パスポートを預るだけの手続きで終わってしまいました。宅配便で予め荷物は送っている人はキャビンまで届けられるようですが、私はバッグを持参したので船まで自分で運ぶ必要がありました。(年輩の人の荷物はクルーが運んでくれていましたが。)O(オー)岸壁の送迎デッキで、先程受け取った乗船カードを乗下船チェック機に読み取らせると、カメラマンが待っていて撮影が終わるといよいよ乗船です。船内のレセプション前ではバンドが生演奏をやっていますが、案内の人が駆け寄るでもなく、どうしてよいのか戸惑ってしまいます。レセプションに列ができていたのでこれに並ぼうかとも思いましたが、これはカードの登録とわかり、結局予めデッキプランで調べていた自分のキャビン目指して独力で行くことにしました。もちろんバッグは自分で運びます。

3.キャビン

キャビンのドアは乗船カードとは別に受け取ったカード式のキーで開閉します。キャビン内は比較的広く、クロゼットも十分な広さがあります。壁にはカーテンが掛かっていて、インサイドの圧迫感を緩和しています。ベッドはツイン(一部の部屋はダブルらしい)で、直ぐに始まる避難訓練のために、救命ジャケットがベッドの上に置かれています。テレビはありますが、冷蔵庫、セキュリティーボックスはありません。デスクの上には、湯のみセットとミネラルウォーターがされています。ミネラルウォーターはなくなれば無料で補充されます。乗船時には、金曜日の船内新聞「STAR NAVIGATOR」が部屋に置かれていなくて、レセプションまで取りに行くはめになりましたが、翌日分からは前夜に配達されるようになりました。

4.食事

トーラスには、セブンシーズ(中華)とフォーシーズンズ(和食)の2つのレストランがあって、好みのレストランに行って食事を採ることができます。食事開始時間は決まっておらず、営業時間中の好みの時間に行きます。レストランの入り口で人数を告げるとレストランのスタッフが座席を割り当てて、テーブル番号を知らせてくれます。レストランのテーブルは、朝昼夕の三食と夜食ごとに、毎回テーブル指定を受けます。
朝食は、セブンシーズ、フォーシーズンズともあまり変わり無く、洋食のビュッフェスタイルの食事、和食が食べられます。中華粥のトッピングが充実しているところが本船の特徴でしょう。セブンシーズではワッフルをその場で焼いて出してくれるサービスをしていました。トーラスの食事では、不思議なことに生野菜のサラダが全く出ません。
セブンシーズの昼食、夕食は、前菜、スープ、主菜、デザートに別れ、前菜とデザートはレストラン中央のビュッフェテーブルからセルフサービスで好みの物を持ってきます。フォーシーズンズの昼食、夕食も同様な方式ですが、主菜は2種類から選択できます。
夜食は、セブンシーズのみで出されます。麺類、中華粥、ケーキ、果物があって内容は充実しています。
トーラスの昼食、夕食は、質・量ともに物足りなさを感じますが、料金の安さを考慮すると我慢できるレベルです。量についてはビュッフェ式の前菜を多くとり、夜食も食べればトータルとして問題ないレベルと思います。

神戸下船前夜のガラ・ディーナーだけは、時間指定の2回制となり(カクテルパーティーも2回制)、予めどちらのレストランの何回目に食べるかを予約するシステムになっています。この夜の食事は他の食事よりちょっぴり豪華になっています。デザートは定番のベイクドアラスカで、プチガトーも用意されています。



トーラスには、他にイタリアンレストラン(写真)があって有料でイタリア料理が食べられます。昼食、夕食ともに2,500円で、前菜、スープ、主菜、デザートのコースで、前菜以外は2〜3種類から選択できます。パンはイタリアンらしくバスケットに様々な種類が盛られています。バターの他にオリーブオイルも用意されています。先の2つのレストランに満足できない人には、このレストランがお勧めです。有料なためか空いていてゆっくりできます。他にスポーツバーが24時間オープンしていて、ケーキセットや軽食が有料で食べられます。ティータイムは船尾のラウンジでサービスされます。紅茶、コーヒーとサンドイッチ、ケーキ類が用意されていますが、このラウンジはそれ程広くないので、ティータイムの時間帯は混みあいます。

5.イベント

船内のイベントのメインイベントは、船首のスターダストラウンジで行われるショーです。ダンス、歌、ジャグラーのショーが毎夜催されます。ダンスと歌は、やたらとボリュームが大きく、音響が悪いのか音が割れていて、あまりよい印象を受けませんでした。それに比べてジャグラーは、一番人気があったように思います。


ショー以外にも、夜になるとセレプションロビーや船尾のピアノラウンジ(写真)で、毎夜ピアノの弾き語りがあります。瀬戸内海の明かりを見ながらピアノラウンジで過ごす時間が、船旅の良さをもっとも感じる時間ではないでしょうか。アルコールや飲み物の類いは日本客船と変わりない料金ですが、毎日、「本日のカクテル」と称してして、割引価格のカクテルが用意されています。また、アルコールの弱い人向きには、ノンアルコールのカクテルも数多くあり、こちらは「モクテル」と呼ばれています。その他、昼間も同時並行で数多くのイベントが開催されていて、退屈させないようにしています。ゲーム大会では、船のバッジ(売店で売っていない)等が貰えるので積極的に参加したいところですが、私にとっての最大のイベントである「瀬戸内海航行」のため、ラウンジやデッキにいる時間が長くなり、イベントに参加する機会が少なくなってしまいました。
カジノは現金(USドル)を賭ける真剣勝負と、ゲームとしてのお遊びの時間に別れます。日本の領海から韓国の領海までのわずかな時間だけ現金を賭けることができます。行きは深夜、帰りは夕方で各2時間30分程度です。それ以外の時間帯は、飲物付き1000円でゲームができます。このゲーム券の半券が抽選券となり翌日抽選会が開かれます。抽選会の一等は4泊5日クルーズの招待券で、他にトーラスのグッズ商品が当たります。ゲームでチップを稼いだ人は抽選券が余分にもらえ、当たる確率が高くなります。但し、抽選会に当選者が来ていない場合は当選が無効になり、別の人に権利が移ります。



ブリッジ見学会は、博多入港前と釜山出港後に各々2回づつ行われました。事前予約制で、集合場所のレセプションでパスを貰って出発します。青い色調で統一されたブリッジは近代的で、操船は椅子に座って行うタイプです。(パイロットが乗船中はどこで指揮するのでしょうか?) 釜山出港後の回に参加しましたが、船速が30ノットを超えていました。潮流に乗っているとはいえ早い速度です。

6.瀬戸内海

トーラスでは、瀬戸内海が存分に楽しめます。明石海峡大橋と瀬戸大橋は、往は夜、復は昼間、関門大橋は、往はは昼間、復は夜、と昼間と夜の景色が両方楽しめる時間帯に通過します。ただ、来島海峡(しまなみ海道)は往復とも早朝の通過となり、見るチャンスがありませんでした。

行きの関門海峡
帰りの明石海峡


7.博多港


博多港の岸壁は、壱岐、対馬行きのフェリーや、博多市営の渡船乗り場の対岸にあり、RKKの沖縄行きが隣に停泊していました。トーラスの接岸直前に釜山からのジェットフォイルが間に割り込んで接岸しました。トーラス下船後、岸壁づたいに対岸のフェリー乗り場まで行けます。ここはいわゆるウォーターフロント風で、レストラン街の前の広場ではマジックなどのイベントが行われていました。ここからトーラスの写真を撮るためには、フェリー乗り場横のタワーに昇るか、この岸壁から出港する船に乗るのが良いと思います。岸壁には、よいアングルの撮影場所はみつけられませんでした。



私は、志賀島(しかのしま)行きの福岡市営渡船に乗船しました。志賀島は海中道(うみのなかみち)から陸続きになっているので、車でも行けるようです。船は、渡船といっても高速艇で、新しくて乗り心地のよい船です。高速艇ですが、デッキに出られるので、撮影には支障ありません。片道30分で650円です。便数が比較的多いので「トーラスの出港までに戻れるか。」の心配もありません。

博多港のスーパースター・トーラス(1)
博多港のスーパースター・トーラス(2)

8.釜山港

この日の朝食は釜山入港前に早々とりました。前日の夜食を抜いたので早い時間でも食欲は旺盛でした。レストランは人陰まばらで韓国の漁船の群れを見ながらゆっくり食事ができました。釜山では自由行動の予定なので、時間の制限もなく釜山入港を楽しみました。さすがに早朝とあって肌寒く、セーターを一枚キャビンに取りに帰ることになりましたが、上陸後はすぐに邪魔になるほど暖かい気候でした。「釜山の港は、雑誌やガイドブックの写真で見る港」だと勝手に思い込んでいましたので、実際に接岸した岸壁を見て驚いてしまいました。高層住宅だけが目立つ郊外の街の一角です。「ここは、何処?」 入り江の形や辺りの建物や地形を、持参したガイトブックに照らし合わせて推測して見ますが、全く分かりません。「ツアーに申し込めば良かった」と後悔の念。レセプションで、寄港地の地図(観光マップをコピーした不鮮明なもの)をもらいましたが、その地図のどこに着いたか分かりません。係りの人に聞いてみると、「その地図に書かれたタダエポ港です」とのこと。もう一度地図を見直し、漸くタダエポ港を見つけることができました。確かに地図の左下隅が四角と丸で囲ってあります。




ここは、私の頭で考える釜山港の範囲から遥かに外れる位置だったので、先にガイドブックと照らし合わせている時にも注意を払わなっかった場所です。ここから釜山の中心部までは、タクシーの利用が便利です。途中に地下鉄の駅がありますが、タクシーの料金が安いので乗り換える必要はないでしょう。中型タクシーの場合、釜山の中心街まで500〜600円(5000〜6000W)位です。岸壁にはタクシー待ちの長い列ができましたが、なかなか掃けて行きません。岸壁は住宅街から少し離れているので、普段タクシーが来るところではないらしい。運転手が無線で連絡しあっているのかそのうち徐々に集まってきました。岸壁から少し走るだけで街並が見えてきます。ここまで歩いてくればタクシーも拾いやすかったと思います。歩いても5分程度の距離です。


岸壁から20分〜30分で釜山の中心部に着きます。タクシーはかなりのスピード(一般道なのに100KM/Hは楽に超えている)で走るので驚きました。私の乗った車の運転手が特別ではなく、他の車も同じように走っています。私は、チャガルチ市場、釜山タワー、フェリー乗り場 を歩いて見物しました。

釜山タワーから(釜山港東側、中央がフェリーターミナル)
釜山タワーから(釜山港西側)

釜山タワーからは、釜山の街並や港に停泊中のフェリーの写真を撮ることができますが、トーラスは山の向こう側(西側)になり見えません。フェリー乗り場は、国際ターミナルと沿岸フェリーターミナルに別れています。国際ターミナルの岸壁には自由に入れないので、撮影もできませんでしたが、沿岸フェリーターミナルでは、地元の人に混じって岸壁で写真を撮ることができました。
釜山市内ではタクシーを拾うのが簡単です。運転手に「タダエポ」と告げて、船を降りる際もらった紙片を手渡しました。これには、港の名前がハングルでも書いてあります。港への途中、おばさんが相乗りしてきました。韓国のタクシーでは相乗りが一般的とガイドブックに書かれています。おばさんも降りた後、タクシーは港に近付きましたが、ちょっと風景が違うところに出てしまいました。運転手は岸壁の場所が分からない様子。歩いている人と一言二言話した後、タクシーはUターンして今来た道を戻ります。途中で脇道に入るとすぐトーラスの姿が見えてきました。どうやら行き過ぎていたみたいです。かなりのロスがあったので、メータの額も行きに比べて3割り増し。しかし、運転手はメータより少ない額しか受け取りませんでした。道を間違ったお詫びなのか、途中で相乗りしたおばさんの分が割り引きされているのかは分かりません。



韓国出国の手続きは何もありません。釜山での入国検査のあと直ぐに、パスポートを船のクルーに預けているので出国手続きは船側が一括で行っています。釜山でのトーラスの写真は、イミグレーションを通って岸壁へ出てから撮るのが良さそうです。神戸、博多の下船は5デッキのボートデッキからでしたが、釜山では私のキャビンがある3デッキからでした。エレベータの前にX線の検査機や乗下船チェック機が置かれてエレベータが使用不能になっている上に、私のキャビンへ通じる防火扉が閉じられている状態。私が帰船後、キャビンへの生き帰りに怪訝な顔で見られたり、「カードを通したか」と聞かれたり、おまけに船内の移動なのにX線の検査機に持ち物を掛けられたり。

釜山出港時には、プールデッキで出港のパーティーがありましたが、日本人は乗りが悪く、クルーズスタッフは苦労していました。釜山出港時には、タグボートは使用しませんでした。

出港パーティー
タダエポ港を後にする



9.下船

神戸入港日の午前中にバッグを通路に出しておくとターミナルまで運んでくれますが、のんびりしていてそれに遅れると(私のことです)その後の長い時間、自分でバッグを管理し運ぶ羽目になります。キャビンは午後1時には明け渡すことになっています。下船のためには、まず船内での支払いを清算をしておく必要があります。乗船時にクレジットカードの登録をしておくと、下船時の清算は不要になります。(スタークルーズのメンバーシップカードを作成すると。船内での支払いが割り引きになります。船内で申し込みができます。)それから、スターダストラウンジでパスポートを受け取るための整理券を貰います。パスポートの返却は接岸後、この整理券にしたがって返却されます。番号の遅い人は受け取るのに1時間以上要します。その後出入国検査、税関の検査(港では必ずバッグを開けろと言われます。暇だからでしょうか?空港では一回も経験ないのに。)を終えると宅配便が待っているので、漸く重いバックから解放されました。

トーラスからみた神戸港



10.感想

豪華な食事やきめ細かいサービスは期待できませんが、船旅の楽しさを味わうための物は全て揃っていて満足できる水準だと思います。特に船旅未経験者にとって、料金の安さも含め、十分に楽しんでもらったのではないかと思います。トーラスの登場がクルーズ船利用者の裾野を広げ、北米を中心に活躍する他のクルーズ会社が日本に進出してくるきっかけとなることを期待したいと思います。但し、乗船した人がリピータになるためには、もう一つインパクトに欠けると感じました。カリブ海や沖縄のように青い海が、目的になれば問題ないのでしょうが、日本人がこのコースに乗船した場合、寄港地も重要な要素となると思います。それを考えると博多や釜山の寄港時間が短く、港の近場しか観光に行くことはできないのは欠点です。また、食事、船内イベントともに一般の人に「もう一度乗って見たい」と思わせるには魅力が足らないように思います。

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