発行にあたって

大川 敏

 数年前までは港をにぎわした豪華客船の来訪も近年はめっきりその数も減り、気軽にちょっと「香港」まで船旅を楽しもうとすることもできなくなってしまったことはさみしい限りです。ジェット機で行けば「香港」まで4時間余、それを3日も4日も費して行くのであるから、今日の「スピード時代」からすれば逆行しているので、船旅自体が必然的に取り残されてしまうのも当然かもしれない。しかしながら数としては少なくなりましたが、まだまだ我々が船旅を楽しむ可能性は残っているように思います。船旅こそ現代人が忙しさの中で忘れている旅の真の姿ではないだろうか。「船旅」は船に乗ることから始まるのです。船中での思わぬハプニング、パッセンジャーとの出会い、こんな素晴しい船旅の思い出を一つのまとまったものにしようと思い、この度、ふあんねるを創刊することになりました。
 各地に船旅に関する機関紙、船旅の会も多々あると思いますが、そうしたものとは別にこの度船旅好きの連中が集って ふあんねるを発刊し、大いに船旅のよさ、楽しさを他の人々にも宣伝していこうと考えています。又ふあんねるの発刊についても今後機会あるごとに、編集してまいりたいと思っています。
尚当誌の発刊にあたっては、原稿を寄せてくれた人々はもちろん タイプを心よく引き受けてくれた河野啓子さん等には並々ならぬお世話になりました。この紙面を借りてお礼申し上げます。


ふあんねる Voy.1 目次へ戻る